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すごい私たち!?   

昨日は東京図書館制覇!というサイトを運営している竹内庸子さんの講演会に行ってきた。

竹内さんとは7~8年前から面識があって、一時期は、竹内さんに勤務先の愚痴を聞いてもらったり、竹内さんからもプライベートな話を聞いたり、懇意にさせてもらっていた。
住んでいる地域もわりあい近かった。

けれど、竹内さんは数年前に都の西の方に引っ越し、その頃からめきめきと「図書館の目利き」というか「図書館マスター」的ポジションになった。
講演をしたり、メディアにもよく登場したりするようになり、自分が公立図書館を離れたこともあって、最近はあまり連絡をとることがなかった。

でも、かつての同僚が勤務している図書館で竹内さんの講演会があると聞き、ふと「行ってみようかな」と思った。

自分は今、公立図書館で働いてはいないし、竹内さんが支持する昨今の図書館のイベントに必ずしも諸手を挙げて賛同する者でもないのだけれど、一度、彼女の話をきちんと聞いてみたいと思っていたのだ。
特に、公立図書館を辞めてから。
外側にいる者だからこそ、そして内側を知っているからこそ、理解できる、あるいはできない、ことがあるかもしれない、と思って。

そして、自分が知っている(つもりになっている)竹内庸子さんという女性が人前でどんな風に話をするのか、ということにも単純に興味があった。

行ってよかった。
竹内さんのまっすぐな感じと、自分の言葉で語ろう、これも伝えたいあれも話したい、という前のめりなちょっと不器用なところに好感が持てた。
そういえばこの人は前からこういう人だったよなあと思えてなんだかうれしかった。

そして、自分が最近の図書館に感じる違和感もあらためて浮き上がって見えたような気がした。

このことに関してはもっとちゃんと考えて言葉にしたい。


いろいろなことをやっている図書館の実例で、自分がかつて開館準備から関わった図書館の「お散歩MAP」も登場した。

地の利が悪く、最寄り駅から徒歩20分強で周囲1キロの円の半分は川になるような図書館に来てもらうために、私と同僚が考えた図書館のキャッチコピーは「散歩のついでにT図書館」だった。
誰にも聞かれていないのに「健康をテーマにします」とした。
だって、そうでもしないと誰も来そうにない立地条件だったから。
そして、周囲のお散歩MAPを作ることにしたのだった。

描いたのは絵心のある同僚Hさん。
私たちのすごいところは(笑)、そのMAPの拡大版を開館の日にエントランスに張り出し、「あなたのおすすめスポットを教えてください」と表記し、付箋を置いたことだ。
詳しくは当時の日記を⇒ 

私たちのもっとすごいところは(苦笑)、その付箋の情報をもとに、改訂版を作ったことだ。
写真を撮り、MAPに付け加えた。
楽しかった。

それが今回、竹内さんに紹介された。
講演会に一緒に行ったのは奇しくもHさん。
自分たちの仕事が紹介されているとき、私は隣のHさんに小声で「いい仕事するよねー」と言った。
Hさんは照れたように見えた。
私も照れて言ったんだけどね。

講演後、竹内さんに挨拶に行ったら、開口一番、「別にマツモトさんがいたからあのMAPを紹介したわけではありませんからね」と言われた。

いや、別にどっちでもいいんです。

自分は思いつきで動くだけの、決して能力のある図書館員ではなかったし、あの日々に戻りたいとも今はもう思わないけれど、あの付箋付きMAPを久々に思い出せて、なんだか現在の視界のくもりがちょっと晴れた。
もうそのことだけで十分でした。
その一点だけでも、本当に行ってよかった。
そして、今、図書館に残っている、あるいは残っていない、かつての同僚たちもみな、視界がくもったりしても、たまにあの頃を思い出して、ちょっと晴れやかな気分になることがあればいいなあと思った。


いつまで過去の栄光(?)にすがってるんだよ!と言われそうだが、いいのだ。
私は過去にすがります。
ネガティブな過去だって不本意であっても抱えて暮らしてる。

だってさ、過去の喜怒哀楽の延長が今の自分だとしか思えないからさ。

by kuni19530806 | 2015-03-01 21:25 | その他

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