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世界地図の下書き   

朝井リョウ『世界地図の下書き』を読む。

桐島も何者もチア男子も読んでません。
今回が初めての朝井本です。

小説は、できれば先入観なしに読みたい、とずっと思ってました。
作家の年齢とか性別とか経歴とか、そんなものは作品そのものには関係ない、っていうか、むしろ、よけいな情報は読書の邪魔だと。

最近は特にそこにこだわりはなくなったような気がします。
少しでも話題になった小説に対しては、先入観を植えつけられるような情報を完全に遮断することなど困難な世の中だし、自分の心の芯にヒットするような作品は、事前情報や先入観を凌駕する力があるものだ、と経験上、思い知ったから。
そもそも、ある程度の事前情報を得たからこそ、「読もう」と思うことがほとんどですからね。
ジャケ買い、作家やタイトル買いは、ホント少数だし。

で、『世界地図の下書き』です。
どうしてこれを読もうと思ったのか、自分でもよくわかりません。
図書館で予約してかなりの順番を並んで借りたのに、そのときの(とは言ってもたかだか2ヶ月前)自分の心理を全く覚えていないのです。

話題の作家に貪欲に食いつく方ではありません。
ましてや、話題の新刊を人より先に図書館で借りることに躍起になっている人をわりと冷たい目で見る性分です。
なので、どこかでそそられる書評を読んだから予約の列に並ぶ気になった、としか思えないのですが、それがどこの誰のものだったかも覚えていません。
とにかく、初朝井。

朝井リョウ情報が全くない状態で読んだら、「けっこう面白かった」かもしれません。
でも、年齢とか作家としての経歴とか過去の作品のイメージがうっすらと予備知識としてインプットされた環境下(?)だと、「他の作家のグッとくるYA小説を今までいっぱい読んだ気がするので、この人が今回あえてこの分野を書こうとした必然性というか説得力が作品中からぐいぐい立ち上って感じられなかった」と思ってしまった。
他の作品を読んでいないのに「今回」と思うことが矛盾しているとは思いつつ、でもそう思ってしまいました。

感性とか、瑞々しさとか、既成概念の打破、みたいなことに若いくせに逃げない文章にはすごく好感が持てたのですけど。

これはやはり、桐島や何者やチア男子を読むべきかもな。
世界地図の下書き_a0099446_1354068.jpg

by kuni19530806 | 2013-10-11 23:53 | 読書

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