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5年ぶりの逢瀬   

いつの間にか3児の母になっていたM子ちゃんに会う。
たぶん5年ぶりぐらい。
5年前、彼女は身重ではあったけれど子どもはまだ世の中に登場してなかった。

私なんぞ、5年前と今は特に何も変わらない。
そりゃあトシをとって、ついでに体重も増加したけれど、配偶者も家族構成も所在地も仕事すら(「すら」って!?)変わってない。
なのでつい「5年なんてたいした月日じゃない」と思ってしまいがちだけれど、子どもの数が0→3になっているM子ちゃんを目の当たりにすると、5年1825日の重みみたいなものを感じてちょっと愕然としてしまう。

M子ちゃんは現在、たぶんこの世でただひとり私を「センセー」と呼ぶ人間だ。
1993~1999年まで私は都立看護学校の図書室で働いていたが、その学校ではたまに司書を「先生」と呼ぶ一派が発生し、M子ちゃんの学年はなぜかほとんどその派だった。
ちなみに「おねえさん」と呼ぶ一派(学年)もいたのだよ。

本日、夏休みで混み合う池袋の東口の宝くじ売り場前で、声の大きなM子ちゃんに離れた場所から「センセー!!」と呼ばれ、ちょっとドギマギした。
久しく忘れていた種類の気恥ずかしさ。


M子ちゃんとは、彼女の在学中からいろんな話をした。
以前の日記にも書いた気がするが、図書室のカウンターで話が弾んで、他の学生から「うるさいんですけど」と注意されたことがある。
とほほほっ。

つかこうへいの話は特にいっぱいしたっけなあ。
年齢は一回り以上離れているけれど、そんなことは全く気にならず、卒業後も一緒に舞台を見に行ったり、オートテニスをしたり、同じ看護学校の卒業生のお姉さんと夫のライブを見に来てもらったり、ただ会って恋愛の話をしたり、した。
「センセー、ちょっとそれはどうかと思いますよ~」と諭されたりしたこともある。
何についてかは割愛。

そんなM子ちゃんも30代なかば。
貫地谷しほり似で、溌剌としていて、肌なんてツヤツヤで、真っ直ぐにこちらを見る視線は相変わらずだけれど、人間、30年以上生きて、結婚して、仕事をしつつ子どもが3人いたら、いろいろあるよね、そりゃ。

M子ちゃんの悩みを聞いていたら、大変だなあと思いながらもなんだか心洗われた。

3月以降、不穏で不安な世界にほうり込まれた気分で、ニュースや誰かの行動や文章にいちいちナーバスに反応する社会や自分自身にちょっと辟易してたりする。
かといって、今回だけは我関せずと耳を塞ぐことはできず、情報の取捨選択の自分の基準も編み出せないまま、なんとなくだらだらと取り込んではどう咀嚼していいのかわからず、やみくもに暗い気分になったり、開き直ったり、を繰り返している感じの自分だ。

M子ちゃんは0才児の母なので、今のこの状況の不安はヒトシオだと思う。
でも彼女の現在のいちばんの悩みはそこじゃない。
なんだかそれがものすごく頼もしく思えたのだ。
おかしな言い方だけど、まだこの世は終わりじゃない、みたいな気分になった。

M子ちゃんは社会情勢にも敏感で決して脳天気なタイプではないが、ダンナさんはかなりのツワモノとみた。
3月11日に東京にいて、あの揺れに気づかなかったんだって!
寝ていて起きなかったそうです。

M子ちゃんが夕方、買い物先から4ヶ月の乳児と一緒に大変な思いをして帰ってきたら、目をこすりながら起きてきて、「なにかあったの?」と言ったそうです。
す、すげえ!
ホンモノだ!?

by kuni19530806 | 2011-08-09 21:07 | その他

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