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パラレルワールドから愛を込めて!?   

昨日は“美人デュオ”でバイオリンを弾いたり、ヨガをしたりしました。

こんな風に一日を過ごすと、まるで一年前のようだ。
まだ、仕事がメチャクチャ繁忙モードではなく(忙しかったけれど残業や休出はしてなかった)、骨折体験もなく、デュオの相棒のMちゃんも暢気で(ゴメン!Mちゃん)、もちろん震災もなかった、なんとも平和だった日々の中にずっといるような気がする。
それが錯覚だとやっと自覚すると、今度は「今の自分はもしかして前とは別の世界、パラレルワールドにいるのかも」と思ったりする。

私のパラレルワールドの原体験(?)は、筒井康隆の『果てしなき多元宇宙』だ。
昔、NHKで少年ドラマシリーズという番組枠があって、私はそれにハマった。
なんといっても「タイムトラベラー」が衝撃的だった。
原作は筒井康隆のあの『時をかける少女』だった。
ドラマは原作をかなり膨らませていたので、ドラマ後に読む原作はかなり物足りなく感じられた。
むしろ、同じ本(短編集だった)に収録されている『果てしなき多元宇宙』の方が印象的だった。

うろ覚えだが、ストーリーは以下の感じ。
高校生のヒロインのボーイフレンドがチンピラ達にボコボコにされる。
そのとき彼女は「彼がもっと強くてチンピラなんてやっつけちゃえばいいのに」と思う。
彼女はその後、違う世界に行く。
そこは、それまでの世界と少しだけ違っていて、そこでも彼女は女子高生で、同じボーイフレンドがいる。
ある日、やはり複数のチンピラにからまれる。
でも、その世界でのボーイフレンドは強くて、チンピラをボコボコにする。
相手が全員倒れても、まだ殴る。
彼女はそれを見て「元の世界に戻りたい!」と強く願う。
そんな話・・・だったと思う。

この短編で、パラレルワールドの原理が語られる。
世界は縦糸と横糸で編まれている、と。
横糸が時間だとすると、縦糸は「世界」で、今、自分がいるのはひとつの縦糸でしかない。
隣の縦糸には、今の自分と少しだけ違う自分が似たような生活をしている。
少しだけ違う自分も無限にいるという理論(たぶん)。

『果てしなき多元宇宙』のヒロインは、何かの理由で縦糸を移動し、ちょっとだけ違う世界に行ってしまったのだ。

そういえば映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』も分かりやすいパラレルワールド映画だったっけ。
1のラスト(タイムトラベル後)では世界が主人公の理想どおりに変わってた。
主人公マーティのおどおどした父親が堂々とした人間になり、父親をいたぶっていたジャイアンみたいな幼なじみが上司から下僕に変わってた。

『果てしなき・・』と『バック・トゥ・・・』のおかげで、私はパラレルワールド好きを標榜するようになった気がする。
特に『果てしなき・・』の縦糸横糸理論が当時、とてもするっと心に入った。
素直な子どもだったし(笑)。

なので、今、未曾有と言われる震災から3ヶ月近くが経って、いまだ迷走し続けてるような原発事故のニュースを日々見聞き・・しつつも昨日のように一見平和にぼんやり過ごしていると、ふと自分が間違ったパラレルワールドに入り込んだような気持ちになってくるのだ。

違う縦糸では震災など起こらない、平和だけれどどこか閉塞感でいっぱいな世界、その隣では、地震は起こっても、津波や原発事故は回避された世界、そのまた隣では、震災も原発事故も起こったけれど対応がもっとまともだった世界・・・があるのかもしれないと夢想してしまう。

現在、自分が入り込んでしまっている世界はいろんなことが「最悪」「バカじゃねーの!」と天を仰ぎたい展開だけれど、そのうち「震災も原発事故も起こって対応もマズかったけれど、その後当事者はいろいろものすごく努力して、みんなはそれの邪魔をせず、なんとかなった世界」(←アバウト過ぎる!)になれ!と強く願う・・・しかない。

とにかく、今、肝心なのは「最優先事項を推進する」でしょう。

ツイッターでフォロアーの多い人が「最優先事項を激しく邪魔してる」ようなつぶやきをしているのを見るとぶっ飛ばしたくなる。
政治家を批判したり、東電のウソを暴いたり、してもいい。
でも、今はあの原発を鎮めることが最優先と認識してもらいたいのだ。
影響力のある人にこそ!

批判が批判を誘発し、命令系統が混乱して対処が遅れたり、批判を怖れるあまり現場が判断を誤ったり躊躇したり、させちゃダメだ。

みんなで国を救うために一丸となって頑張ろう!的なことを言ってるんじゃない。
言ってるのかもしれないが、とりあえず
リスクを引き受けられないなら邪魔だけはすんな!
と言いたいわけです。

by kuni19530806 | 2011-06-08 20:22 | その他

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