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不便のねうち   

山本ふみこ著『不便のねうち』を読む。

図書館で借りてちょっと前に読み終わり、すでに返却してしまった。
よって、現在、手元にはありません。

雑誌・・「暮しの手帖」か「天然生活」、もしくはどちらも、で、その名を目にしていた人です。
実は、名前を見て「ああ、あのグループか」と思って、お手並み拝見的な方向で手にとりました。

例の(って、初めて書くけど)本名(たぶん)の名前だけをひらがなにする感受性の人々。

私だけの括りでしょうが、天然生活や暮しの手帖あたりをホームグラウンド的に活動している人で、この表記方式(?)を採用している人達に、私はどこか同じにおいを感じるのです。

伊藤まさこ
根本きこ
中川ちえ
平井かずみ
高山なおみ
服部みれい
平澤まりこ
甲斐みのり

もっといるかな。

その「におい」とは、すごくざっくりした言い方をすれば「生活の延長上にあるものを飯のたねにしている、一見穏やかそうだけれどこだわっていることを隠さず、けっこう企んでもいる、女性性を前面に出してそうな人」でしょうか。

誤解をおそれ・・て付け加えるわけですが、企んでいることも、女性性を前面に出すことも、仕事としては正攻法だと思うし、決して揶揄ではありません。

ただ、これらの方々が、そういう方向を否定するかのごとき文章を書いたりコメントをしているのを読むと、私はつい「見せたい自分とにじみ出る自分は違うよね」とか思ってしまいます。

彼女達は私にとって、賢くてセンスもよくて周りが見えていて、決して奢らず、でも必要以上に謙らず、生活の志向や嗜好、ときには我が道を行くことの迷いすら、仕事にしてしまうメンツ、って感じなのです。
一言で言えば、たくましい。
たくましい女性は、名前だけひらがなにしてしまう道を選ぶ、と(笑)。

こじつけでしょうか。

でも、飯島奈美が飯島なみ、平松洋子が平松ようこ、ではないことは、偶然ではなく必然のような気がする。
飯島さんも平松さんもたくましいと思うけれど、違うたくましさなんだよなあ、私にとっては。

あ、『不便のねうち』についてだった。

山本ふみこさんって、すごく文章が上手だと思います。
そして、便利と不便は親和性が高いという見解は新鮮で、好感が持てました。

でも、私は実は、暮しをていねいに、とか、ふだんの生活が大事と言う人が食洗機を使っていることに違和感を持つ程度の器の小さい人間なので、山本さんが、震災を機に、完全に食洗機をお役御免にした的な描写にはわりと「そういう感じ?」と思ってしまいました。
が、文章が読ませるから読み切った。

そして、読んでいる途中、彼女が自由学園の出身者と知って「筋金入り」という言葉が浮かんだのでした。
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by kuni19530806 | 2014-10-26 18:00 | 読書 | Trackback | Comments(0)

瞽女唄   

瞽女唄の月岡祐紀子さんの演奏を聴きに行く。
場所は、近隣にある江戸時代に建てられた名主屋敷。
「椿の里瞽女唄ライブ8」と銘打たれた・・そう、もう回を重ねて8回目となる恒例のイベント。

聴きに行くのは2回目。
2年前以来だ。
そのときは、前の職場で、月岡さんと昔話の語り部である中野ミツさんのコラボイベント「瞽女(ごぜ)唄と越後の昔話」の開催間近なときで、幕間にイベントの告知をさせていただいたりしたのだった。

職場でのイベントをきっかけに月岡さんとは何度か食事をさせていただいた。

面白い人なのだ、月岡さん。
ビジュアルは本当に着物と三味線が似合う、純和風のツヤっと艶っとしたすごく美しい人なのだけれど、天然で無防備。
作為的なところや狡猾さがあんなに感じられない人も珍しいんじゃないか、ぐらいな。
いや、芸事に秀でた人で、俗世間のどよっとしたものとは無縁な人はいっぱいいるのかもしれないけれど、なんかそういう人ってちょっと乾いているイメージがある。
思考経路というか、人間性に。
自分のやっていることに対するこだわりも、突き抜けている分、熱さはあっても湿気はないっていうか。

でも、月岡さんにはすごく湿度を感じる。
見た目も、ちょっとした会話も。
でも、粘着性は感じない。
すごく俗っぽいことも平気で言うのだけれど、俗っぽくならない。
人にどう思われるかを気にしない、というより、人にどう思われるかという思いの存在に気づいてない、みたいな。
もちろん、気づいているはずだけど。

ベタっとしていない湿度が稀有、という感じ。

あ、全然上手く言えてませんね。

幼い頃から三味線を弾くという環境にあったとはいえ、瞽女さんの存在がまさに消えようとするタイミングに、高校生という若さで、視覚障害を持たない月岡さんが瞽女唄に魅せられたという事実はすごいことだと思う。
今回の立ち話でも、継承者という重荷を感じている様子だったけれど、月岡さんは選んだのだし、選ばれたのだと思う。

ライブを堪能した後、最寄り駅に戻って、誘ってくれた友人と駅前の日高屋でラーメンを食べた。
初日高屋。
決して上品ではない客層が面白かった。
乳飲み子から老人まで。
喫煙席と禁煙席の近さがごった煮感を象徴している感じ。

夕食のしたくをしなかったのは本当に久しぶりだ。
お寿司を買って家に置いてきた。
またやろう。
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by kuni19530806 | 2014-10-26 17:07 | お出かけ | Trackback | Comments(0)

今日の学校日誌   

◆AM8:20 出勤途中

今日の勤務先、S小学校は最寄り駅から徒歩15分かかる。
いつものようにY通りを南下して学校に向かっていると、前方から、リュックを背負ってスケッチブックを持った小学生がゾロゾロやってくる。
帽子の色はS小学校のもの。
先頭は副校長だ。
すれ違うときに「おはようございます」と言ったが、ちょうど間に第三者の通行人(?)が入ったことと、先生が児童に気を取られている感じで、気づかれなかった。
続く子供たちもほとんど私には気づかない。
私もあまり見知った顔がいないが、2年生とはわかった。
1クラス分が通過し、ちょっと間を置いて次のクラスが来た。

こちらのクラスは、ほぼ毎週、4時間目にやってくる2年1組。
もうリアクションが全然違う。
私の顔を見て手を振ってくる。
「わー!センセーどうしたの?」(学校に向かってんだよ)
「おはよーございます!」
「あ、図書のセンセーだ!」「ホントだ!」
すれ違いざま、ハイタッチまでしてくる子も。
うれしい。
よく先生に怒られているA君のスケッチブックの中身が見えた。
閉じてないんだもの。
とうきょうスカイツリーと書かれていて、そこに、スカイツリーとおぼしき絵も描かれていた。
ん?
もしかして、そこに行くの?
だったらその絵は、行ってから現物を見て写生するんじゃないの?と思う。
まあいいけど。

最後尾は担任の先生。
私に気づき、ビックリしたような顔をした後、「そんなわけで、今日の4時間目は行きません!すみません!言ってなくて」とペコペコしながら去って行った。
子ども達にはすごくこわい先生なんですけど。


◆AM10:30 中休み

4年生の男子が「サバイバルシリーズ」がいつ来てもない、とおかんむり。
もちろん小学校で働くようになって知ったのだが、このシリーズ、小学生にすごい人気なのだ。
漫画の威力おそるべし、と思う。

私が「返って来ても、すぐに次の人に借りられちゃうんだよね」と言うと、「ナントカとカントカは買って持ってるんだけど、他のは持ってないんだ」と言う。
重ねて「ライフで買ったの。おかあさんがライフのお買い物券を持ってたから。でも、1冊1300円するからさ、何冊も買ってもらえないの」。
私「そりゃそうだねー。1300円もするんじゃねー」
「うん。だから図書室で借りるからいいって言ったの。でもないじゃん!」
いい子だ。
でもそう言われてもなあ。


◆PM0:45 昼休み

毎週6時間目は1年1組が図書室を利用する。
本の返却と私の読み聞かせと読書と貸出、というスケジュール。
これは上述の4時間目利用の2年1組もほぼ一緒。

6時間目の1年1組には伝令役がいる。
M君。
毎回必ず昼休みにやってきて、「6時間目来るね。楽しみにしててね」とか言って去っていく。
今日も来た。
「今日は6時間目は来ません」
「あら、そうなの。残念です」
「今日の6時間目は図工です」
「そうですか。わかりました。ね、M君、毎週お知らせに来てくれるけど、M君はクラスのそういう係なの?」
「ちがうよ」
「そうか。いつもお知らせに来てくれてありがとう」
「うん。いいよ。あの、この前のとしょだよりのクイズのこたえはどこですか」

常体と敬体の使い分けが絶妙。


◆PM2:40
1年1組の自然児、T君が息せき切って駆け込んできた。
「センセー、K君、さっき、本借りてったよね」
「そうだっけ?」
「あ、これこれ。怪談レストランの新しいヤツ。見てもいい?」
「いいけど。もうすぐ6時間目が始まるよ。図工でしょ」
「(聞いてない)あ、これ順番がバラバラだ」(とシリーズの通し番号順に並べ直し始める)
「ありがとう。でも、もうすぐベルが鳴るよ」
「あっ!また先生に怒られる。じゃあね。(ドアを出るとき)ありがとーございました!」
と、なぜか漢字練習ノートを置いたまま走り去る。
教室まで追いかけると、案の定、先生になんか言われてた。
ノートを渡すと、またそれをネタに注意された。

いい子なんだけどね。
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by kuni19530806 | 2014-10-16 20:46 | 仕事 | Trackback | Comments(0)

逃避行動   

毎月毎月、小学校の図書だよりづくりに苦労しています。

週1ずつ2校に勤務なのですが、各校で図書だよりを作る時間は正直、ほとんどありません。
雇用先の業務委託会社もそのあたりはわかっていて、毎月HPに図書だよりの雛型がアップされます。
11月号もすでにアップされてた。
それを加工してお使い下さいと言うわけですが、話はそうカンタンじゃないのよねえ。
そこで紹介されている本、ほとんど自分の勤務先にはない。
所蔵していない本を図書だよりで紹介してもいい、と言われてますけど、私はどうもそれはイヤなんですよね。

図書だよりがどの程度、児童に読まれているかわかりませんが、たとえ全校児童中1名でも、読んで「ああ、この本が読みたい」と思って図書室に来てくれたとしたら、そのアカツキに「ここにはない」とは言いたくない。

なので、所蔵している本や絵本の紹介、になるわけですが、難しい。
さらに、「できれば2校分の図書だよりを一括して作りたい」というスケベ心満々なのでますます難しい。

特に、2校中1校は、本当に蔵書が薄くて、ロクな本がない!です。
しかも、たまに「おっ!」と思っても、学級文庫に行っていて、そのクラス以外の児童は、借りることはおろか、見ることさえできない。
腹立たしいのは、そのクラスの児童も、学級文庫に興味を示しているとは到底思えないこと。
蔵書点検で各教室をまわって、ホコリと、ひどいときにはクモの巣すら張った学級文庫に悄然としました、私。

今、それにやんわり楯突き中なのですが、こういうとき、委託会社から派遣されているという自分のポジションは、とてもやりづらいです。
直接雇用されているのであれば、一存でいろんな話ができるのですが、委託だと、いちいち会社にお伺いを立てないと、やたらなことが言えない。
まあ、お伺いを立てずに言ったりしているわけですが。

ああ、話が逸れた。
しかもこの文句、以前にも書いている気がする。

図書だよりの話でした。

2校両方にあって、特集のテーマに沿った内容で、最低限つまらなくない本を、低学年・中学年・高学年向けにそれぞれ出す、となると、これがなかなか難しい。
そしてそそり立つ、ルビふりの呪縛。
ホント、編集しづらいよ、ルビあると!

そんなことをぶつぶつ言いつつ、現在、作成中。

さ、逃避行動はこのへんにして、やらないとな(^^;
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by kuni19530806 | 2014-10-15 14:09 | 仕事 | Trackback | Comments(0)

最近読んでた本   

このところ、twitterにうつつを抜かしていて、ここの「本の備忘録」記載もさぼり気味。

せめて、twitterの140字感想だけでも転載しておこうっと。

10月1日
伊坂幸太郎『アイネクライネナハトムジーク』、すんごくおもしろかったー。
でも私は頭が良くないので、交錯する登場人物と時系列確認のためにもう一度読まないと(^^;
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10月11日
『鈴狐騒動変化城』(田中哲弥/著 伊野孝行/画)、軽妙で破天荒で可笑しくてアホでジンときた。
おはなしも自由奔放だけれど、馬面どアップとか、カラー見開きとか、刀の鞘だけが隣に飛び出してたりする挿画は相当豪放磊落だ。「好きやなあいう気持ち」の結晶ってことか。
おツネちゃんカワイイ♥
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10月12日
『ミュージック・ブレス・ユー!!』(津村記久子/著)再読。
この小説を読むと、自分はなんて遠くまで来てしまったんだろうと思うけれど、こういう小説にハッとさせられる自分でいられるうちは、鬱々したり傷ついたり諦めたりしながらも、ギリギリ絶望しないで生きていける気がする。
大好きだ。
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by kuni19530806 | 2014-10-12 23:49 | 読書 | Trackback | Comments(0)