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異国トーキョー漂流記   

高野秀行著『異国トーキョー漂流記』を読む。

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著者の肩書は辺境ライターだそうです。
現在、間借りをしている仕事場の企画担当の女性に「タカノヒデユキさんに講演会を頼もうかなと思ったりしてるんだけど、マツモトさん、知ってるでしょ」と言われました。
「知りません」と返すのが申し訳ないくらいに、当然のように言われました。
「知りません」と言ったら、案の定、がっかりされました。

そういう経緯でこの本を読んでみることにしました。

いや~、すっごく面白かったです。
今まで知らなくて、先日「知りません」と言って、とにかくすまなかった!と各方面(?)に謝りたい気分です。

これは、著者曰く<東京を旅して出会ったヘンな外国人の話>です。
そしてこの本のタイトルの意は、前書きによれば、著者が高校時代、近所にホームステイしていたアメリカ人の女の子の東京案内をした際に感じた<そのアメリカ娘と一緒にいると、見慣れた東京の街が外国に見えるのだ。漢字と仮名とアルファベットがごっちゃになった猥雑な看板群。くもの巣のように空を覆う電線。機械のような正確さと素早さで切符を切る改札の駅員・・・・。
これまで毎日のように目にしていたもの、だけど何とも思わなかったものが、ことごとく違和感と新鮮さを伴って、強烈に迫ってくるのだ。
「これはいったいなんなんだ?」と私は思った。
どうもアメリカ娘の感覚に自分の感覚が同化してしまうようなのだ。
そのとき、私の目に映ったのは東京ではなく、異国「トーキョー」だった。>
だそうです。

私は外国人を東京案内したことはありませんが、この感覚はすごくよくわかります。
その時点で、この本は私にとって「当たり」と決定したようなものですが、本文もめちゃくちゃ面白くて、一気に読み切りました。

いいなあ、この人。
ある意味、私の理想ですね。
同じ「冒険家」でも、もし石川直樹さんと実際に会ったら緊張しちゃいそうですが、高野秀行さんとなら初対面でも楽しく話せそうな気がします(勝手な妄想)。

8章あり、どれも面白いですが、「百一人のウエキ系ペルー人」と「トーキョー・ドームの熱い夜」は印象的。
特に、盲目でプロ野球好きのスーダン人との交遊を描いた「トーキョー・ドームの熱い夜」は傑作だと思います。
どう傑作かとというと・・・全部!?
とにかく、ご一読をお薦めします。

ちなみに、高野秀行さんはずいぶん前から、中島京子さんは国民的作家になると予言していたそうですが、私もかなり早い時期から中島京子さんに目をつけていた(?)ので、そこでもシンパシーを感じたりしています。
だからどうってことでもないですけどね。
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by kuni19530806 | 2010-10-08 23:52 | 読書

社会復帰中   

チチカカ湖、アップしました。
そんなことがあっていいのか!?の驚きの内容です。
仕事には責任が生じるという、あたりまえのことをあらためて考えさせられるなあ。

前の職場のオトモダチと新宿でランチ。
私の社会復帰も着々と進捗中です!?
待ち合わせ前に、伊勢丹のちふれに寄りました。
あの、全国地域婦人団体連合会(不確かな記憶)でおなじみの化粧品メーカーです。
ここの化粧品はお値打ち価格で有名ですが、@コスメでの評判はおしなべて良好。
ちょっと生協的な印象があるかも。
でも最近はモデルのりょうさんをキャラクターに起用したりして、従来のチープ&生協ちっくなイメージを払拭させる作戦に出ている気がします。
りょうとちふれって、意外な組み合わせな気はしますけどね。

ちふれの中でも、ちふれブランドの化粧品はほとんどのドラッグストアやスーパーで売っていますが、ちふれの中の高級ブランド「綾花」だけはデパートじゃないと買えません。
高級ブランドとは言ってもちふれ的に高級、で、お値段は千円台~2千円。
上限は4千円台のクリームです。
資生堂やカネボウのセルフブランド(スーパーやDSで気軽に自分で選べるちょっと安めの化粧品。アクアレーベルとかフレッシェルとかエビータあたりですか)とほぼ同じ価格帯です。
私はけっこう綾花好きなので、「綾花もDSに置いて欲しい!」と声を大にして言いたいのですが、ちふれにはちふれの都合があるらしい。
なので綾花は都心に行ったときに買ってくることになります。

でも、以前もここで書いたかもしれませんが、デパートのちふれブースって、わざとみたいにわかりにくい場所にあるんですよね。
ふつう、デパートの化粧品コーナーといえば1Fと相場が決まっているもんですが、ちふれはその括りに入れてもらえないんだか、あえてなのか、単に出費の問題か、たいてい、上階のタオル売り場かなんかの片隅にちょこんとあります。
ハウスオブローゼというブランドもちょっとそんな感じですが、HORはタオルやハンカチに囲まれているのが妙に合ってる。
ちふれには特にマッチしてません。
しかもちふれブースはとても小さく、下手すりゃフロア案内図に載ってなかったりするので、ホント、探すのに一苦労なのです。

でも新宿伊勢丹のちふれブースは今回が二回目なので場所は把握しました。
5Fの片隅にあります。
デパートの模様替えはけっこう頻繁なので、変わらないことを願います。

気の置けないメンバーとのランチは楽しゅうございました。
現在の私の仕事の状況や雰囲気を知っている人に気兼ねなく愚痴をこぼせるというのは本当にありがたいことだ。
めんどくさくなりそうで、やたらな人にはやたらなことを言えないんで。

カラオケにも行きました。
3時間コース。
でも誰も歌いませんでした。
イベントを控えているオトモダチのリハーサルの立ち会いとおしゃべりで3時間があっという間でした。
カラオケ館はトイレが寒い!
冷蔵庫だ!
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by kuni19530806 | 2010-10-07 23:53 | お出かけ

1980年頃のベストバラード   

このところ、なつかしの1970~80年代音楽、みたいな番組を立て続けに見ているような気がしますが、今日もTBSで4時間(!)の特番をやってました。
しかも、これが終わった直後からオンエアのNHKのSONGSは2週連続で山口百恵。

TBSで幸田來未が「さよならの向こう側」をとても俗っぽく唄った(それはそれで良かったけど)のを見た、その30分後ぐらいに、本家百恵ちゃんバージョンで同じ曲を聴きました。
こちらは、引退コンサートの映像なので、崇高というか神々しいくらい。
あれで若干21歳だったとはね。
山口百恵はなんであんなに落ち着いてたんですかね。
重厚感が漂ってて、ちょっと年下だった自分は、数年後になれば自分もそうなるのかと常に思っては裏切られていた(?)十代でした。

そんななか、五十嵐浩晃が今、やたらその手の番組に出てる気がします。
五十嵐浩晃なんて、40代以上じゃないと知らないと思いますが、その昔、ちょうど1980年ジャストの頃、まさに「期間限定」という感じでとても人気があったシンガーソングライター(!)です。
好きだったんだよねー私。
高校時代の同級生K.Kとコンサートに行ったっけなあ(と遠い目をしてみる)。

彼の曲でいちばん知名度の高いのは「ペガサスの朝」で、最近の露出でもそればっかり聴きますが、私は「ディープ・パープル」が好きでした。
当時、ニューミュージック界のバラードといえば、オフコースの「さよなら」やアリスの「秋止符」あたりが有名で定番でしたが、私は「ディープ・パープル」やもんた&ブラザースの「赤いアンブレラ」の方が好みだった。
赤いアンブレラは、ほとんど詞がなくて、まるで映画の効果音楽みたいでしたが。

ちなみにディープ・パープルはこれ


五十嵐浩晃って妙に清潔感があったんですよね。
豆粒みたいな目とアフロ(カーリー?)、がなかなかマッチしてて、ビジュアル的にも好きでした。

現在の画像はこんな感じ。
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そりゃあ、月日の流れは自分を見ても痛いほど感じる日々ですが、変わるんだねえ。
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by kuni19530806 | 2010-10-06 10:29 | テレビ

意識なく服を着たいので   

最近、太った。

ずうずうしくも、5年ぐらい前までは、自分は太らない人間だと思っていました。
食べ過ぎると、自然と便通で帳尻を合わせ(←なんかこれ、しっくりする言い草)数日でデフォルト(?)に戻っていました。
胃腸もさほど丈夫ではなかったし、こう見えて精神的にも虚弱なので、気になることがあると食欲が失せ、いわゆる下半身デブですけど、上半身はいろんな意味で繊細で貧相なもんでした。

ところが
月日は流れ、今ではあのときのデフォルト体重などどこ吹く風と(?)日々着々とMAXを更新し続けています。

理由は、現時点ではなんといっても運動不足。
そもそも、ここ2ヶ月はほとんど歩いてすらいませんでしたからねー。
4月以降、仕事の種類が変わって、それまでの「歩いてナンボ」の生活から一変しましたが、それに輪をかけた8月の骨折。
回復は亀の歩みで、足が退化しちゃうんじゃ!?と心配です。
脚力は間違いなく退化しました。

それと、2年ぐらい前からヨガを始めて、あまりお腹を壊さなくなったことも大きい。
以前は、風邪をひいても、寝不足でも、暑すぎても寒すぎても、緊張しても、生理痛でも、失恋しても(勢いで言ってみた)、腹具合が悪くなったもんですが、このところ、そういうことが少なくなった。
これは健康面では歓迎すべきことですが、帳尻は合わなくなりました。
しかも、ヨガ以降、めっきり食事が美味しいのだ。
精神的な理由で食欲がないことの辛さ、つまらなさを、人生経験と比例して数多く知ってる分、食欲があるのに食事量を減らすことほど、もったいなくて人生を空虚にすることはないと思ってしまうので、美味しければ食うよ、そりゃ。

そして年齢。
これも大きいなあ。
基礎代謝量と女性ホルモンの減少は、体重ばかりではなく体型も変えるんですね。
ことさら、アンチアンチと年齢に抗うのはどうかと思いますが、加齢に関しては、見た目も中身も含めて、できれば自分のペースで周囲の景色を見ながらゆっくり自分の車(心身)を運転したいのに(逆走や停止は土台ムリなんだからさあ)そうは問屋が卸さない。
うすらぼんやりしていると勝手にどんどん加速する・・・ばかりか、行きたい方向を見失い、道を間違える。

まあ、だからこそ、巷でアンチエイジング思想?商法?が跋扈するわけでしょうが、とにかく、太るということは、加齢による体型の変化に加速度をつけるってことなんだなと思い知る今日この頃。
あたりまえか。

そんなわけで、最近、なんだか何を着ても似合わなくてつまらない。
私はオシャレさんではありませんが、低レベルには低レベルなりの矜恃(!)みたいなもんもあるわけですよ。
それは必ずしも「スタイルが良く見えること」とか「センスよさげなかっこう」ではない。
どちらかというと、着てる意識がなくなる服、ですかね。
地味とかラクというんではないけれど、自分的にしっくりしたかっこうをしていると、洋服に意識がいかなくなることってないですか?
たとえ、年相応のかっこうじゃなくても、身体のラインがわかる服でも、しっくりして着心地がいいっていうのがある。
っていうか、あった。

最近はないんだよねー。
これはやっぱり太ったからだという気がするんだよねー。
そこに、たるみが加わってるからねー。
顔のたるみは日々、鏡でイヤというほど自覚させられますが、首から下のたるみは無視しようとすれば無視できる。
特に、体重さえ増えてなければ「変化なし」にしがち。
でも、とんでもないんだよねー。
そして、たるみに襲いかかる重力!?
このふたつはセットですからねー。
下がる下がる!

そんなわけで
洋服をもう少し心地よく着たいので、ヨガを再開しました。
まだ、足先を庇ったなんちゃってヨガですが、とりあえず、まんべんなく引き締めたい。
あの、お尻の皮が剥けるほどいつまでも腹筋ができていた頃の自分をイメージしてみよう。

・・調子こいて、腰を痛めないようにしないと、だな。
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by kuni19530806 | 2010-10-04 23:22 | その他

原宿百景   

小泉今日子、『原宿百景』を読む。

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私は小泉今日子さんの書く文章が本当に好きみたいです(笑)。
きっかけは『パンダのanan』(たぶん処女エッセイ)でしたが、以来、彼女の文章は、読売新聞の書評も、IN REDの「小泉今日子実行委員会」(これは書籍化され、最近単行本でも読みました)も、SWTICHの私小説風エッセイも、気がつく限りは読んでいます。

この『原宿百景』は、そのSWTICHの連載の書籍化です。
著者が原宿に住んでいた10代の頃を綴ったエッセイ11編と、原宿をキーワードにした対談17編、そして著者本人と原宿の写真、地図、原宿・小泉年表が収録(集録?)されている、欲張りな本です。

これはなかなか素晴らしい本だと思いました。
特にエッセイ。
十代の自分と自分を取り巻いていた日々をとても赤裸々に語っています。
とはいっても、元アイドルが、デビュー前~アイドル全盛期の自分のヤンチャぶりをあけすけに“自己暴露”する、というのとは似て非なる感じ。

この本で語られている十代の彼女の言動や環境はけっこう衝撃だったりしますが、どれもきちんといったん自分の中で咀嚼されているからなのか、視線は静謐で、主観と客観のバランスが絶妙です。
それは、写真を撮られる被写体としての彼女、にも通じている気がします。

この本の彼女を見て、「キョンキョンも老けたな」という感想を持つ人は老若男女を問わず、多いかもしれない。
ライティングの工夫ができなさそうな屋外撮影写真が多いし、過剰な修正、加工もされてなさそう。
特に表紙の写真は、まるであえて若くなく写っている写真を選んだ感じさえします。
そこにも、自分を客観視、必要に応じては「自分は40代だ」を強調し過ぎる(?)主観視、が感じられます。

以前、なにかのインタビューで彼女は、芸能人のわりにお肌の手入れが無頓着で、それを人に指摘されても何もしなかったと言い、その理由として、「ちゃんと年相応に老けていけばいいじゃんと思ってた。それに、タバコを喫っている自分がお金をかけてお肌の手入れをするのってなんだかおかしな話だと思えて、エステとかに行けなかった」と告白(?)してました。
それを読んだとき、この人はかっこいいな、と思いました。
なにも、正直だから、潔いから、かっこいいわけではありません。
いや、確かに正直さ、潔さはかっこよさに繋がるかもしれませんが、底辺に「まっとうな価値観や羞恥心」あってこその正直さや潔さ、じゃなきゃ、それこそ、元アイドルのあけすけな自作自演の暴露本が皆かっこいいってことになっちゃう、とでもいうか。
上手く言えてませんね。
結局、人としてのバランス感覚、に集約されるのかもしれません。

ところで、対談相手にエドツワキ氏もいます。
今回知りましたが、あの『パンダのanan』は彼の装丁だったのですね。
エドツワキといえば、私の中では原田知世さんの夫として有名です。
原田知世結婚の報で、相手がエドツワキという名のイラストレーターだと聞いときは、「誰?なに?そのふざけた名前。ナニジン?」と思ったものです。

エドツワキ、小泉今日子さんとも昵懇だったんですね。
そして対談は彼のこんなコメントで締められています。
<僕にとってキョンちゃんは、木の枝の高いところになっている、熟した果実のような存在なんだ。絶対に腐らない、熟したままずっとそこになっている果実。がんばって登ればツンツンって触ることもできるんだけど、でも決してもいではいけないの。もがないままで、気がつけば二十年。落ちない果実を下からずっと眺めている感じかな。>

これを妻が読んだら、どんな感想を持つのでしょうか・・・って、下世話ですね、私。
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by kuni19530806 | 2010-10-02 22:55 | 読書

窓の外は向日葵の畑   

10月かあ。
私は今、新規図書館立ち上げプロジェクトの末端構成員ですが、オープンまでいよいよ3ヶ月を切りました。
現場は、4月から一貫してカオス状態です。
当初の計画は妥協と諦め方面に変更を余儀なくされることばかりですが、カオスであることには全くブレがありません。
その一貫性だけは凄いよ。
これから年末まで、いったいどうなっていくんだろう。。。

樋口有介の『窓の外は向日葵の畑』を読む。
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偏愛作家ユースケさんの新刊が、デビュー作『ぼくと、ぼくらの夏』を彷彿させる青春ミステリー、しかも書き下ろしだという噂を漏れ聞き及び、勇んで読みました。
う~ん。
これ、青春ミステリーかなあ。
確かに主人公の青葉樹(あおば・しげる)クンは高校2年生で、近所には幼なじみの真夏ちゃんがいて、しかもこの真夏ちゃんが実は××××で、樹の所属する「江戸文化研究会」の美人部長と、彼女に憧れる副部長が相次いで失踪して、事件解明に顧問の美人英語教師が乗り出し、彼女に吸引されるように元刑事の樹の父親も介入し、研究会所属の帰国子女圓藤紅亜も絡み・・と、登場人物の中心は青春世代(?)で、設定もいかにも、ではありますが、読んでいる最中も、読後感も、青春って感じは全くしなかったです。
面白くなかった、という意味ではないですけど。
あ、タイトルはあんまり良くないと思う。
樋口小説って、タイトルで損をしてないかなあ。
なんだか、ピンとこないっていうか、後々、タイトルを聞いてもどんな小説だったか全くイメージできないのが多い気がします。

内容について。
今回の小説も相変わらずの樋口節です。
あまりに樋口ワールドなので、この小説もシリーズものだったかな?と思っちゃいました。
軽妙洒脱ちっくで、でも社会派で、男性はみんな家事能力に秀で、女性に弱くて甘くて、よけいなことを言い、肝心なことは言い返さない。
一方女性は、みな気が強く生意気でワガママで、でも終盤はたいていそれが哀しみに通じ、別れはせつなく、ほろ苦い読後感が残る・・・樋口ワールドとはそんな世界です。

まあ、この樋口ワールドそのものが「青春」と言えるのかもしれませんね。
『ぼくと、ぼくらの夏』の頃は30代だった作者も、今では還暦。
渋好みとはいえいまどきの高校生を描くということ自体、チャレンジなのかもしれません。
ただ、やはり父親の描写の方がしっくりしてたかも。

ユースケさんには今後も果敢に青春にチャレンジしてもらいたいと思う反面、全く毛色の違う、かといって時代小説ではない中高年の小説も書いて欲しい気がします。

ファンはわがままななのだ。
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by kuni19530806 | 2010-10-01 23:20 | 読書