2014年 10月 26日 ( 2 )   

不便のねうち   

山本ふみこ著『不便のねうち』を読む。

図書館で借りてちょっと前に読み終わり、すでに返却してしまった。
よって、現在、手元にはありません。

雑誌・・「暮しの手帖」か「天然生活」、もしくはどちらも、で、その名を目にしていた人です。
実は、名前を見て「ああ、あのグループか」と思って、お手並み拝見的な方向で手にとりました。

例の(って、初めて書くけど)本名(たぶん)の名前だけをひらがなにする感受性の人々。

私だけの括りでしょうが、天然生活や暮しの手帖あたりをホームグラウンド的に活動している人で、この表記方式(?)を採用している人達に、私はどこか同じにおいを感じるのです。

伊藤まさこ
根本きこ
中川ちえ
平井かずみ
高山なおみ
服部みれい
平澤まりこ
甲斐みのり

もっといるかな。

その「におい」とは、すごくざっくりした言い方をすれば「生活の延長上にあるものを飯のたねにしている、一見穏やかそうだけれどこだわっていることを隠さず、けっこう企んでもいる、女性性を前面に出してそうな人」でしょうか。

誤解をおそれ・・て付け加えるわけですが、企んでいることも、女性性を前面に出すことも、仕事としては正攻法だと思うし、決して揶揄ではありません。

ただ、これらの方々が、そういう方向を否定するかのごとき文章を書いたりコメントをしているのを読むと、私はつい「見せたい自分とにじみ出る自分は違うよね」とか思ってしまいます。

彼女達は私にとって、賢くてセンスもよくて周りが見えていて、決して奢らず、でも必要以上に謙らず、生活の志向や嗜好、ときには我が道を行くことの迷いすら、仕事にしてしまうメンツ、って感じなのです。
一言で言えば、たくましい。
たくましい女性は、名前だけひらがなにしてしまう道を選ぶ、と(笑)。

こじつけでしょうか。

でも、飯島奈美が飯島なみ、平松洋子が平松ようこ、ではないことは、偶然ではなく必然のような気がする。
飯島さんも平松さんもたくましいと思うけれど、違うたくましさなんだよなあ、私にとっては。

あ、『不便のねうち』についてだった。

山本ふみこさんって、すごく文章が上手だと思います。
そして、便利と不便は親和性が高いという見解は新鮮で、好感が持てました。

でも、私は実は、暮しをていねいに、とか、ふだんの生活が大事と言う人が食洗機を使っていることに違和感を持つ程度の器の小さい人間なので、山本さんが、震災を機に、完全に食洗機をお役御免にした的な描写にはわりと「そういう感じ?」と思ってしまいました。
が、文章が読ませるから読み切った。

そして、読んでいる途中、彼女が自由学園の出身者と知って「筋金入り」という言葉が浮かんだのでした。
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by kuni19530806 | 2014-10-26 18:00 | 読書 | Trackback | Comments(0)

瞽女唄   

瞽女唄の月岡祐紀子さんの演奏を聴きに行く。
場所は、近隣にある江戸時代に建てられた名主屋敷。
「椿の里瞽女唄ライブ8」と銘打たれた・・そう、もう回を重ねて8回目となる恒例のイベント。

聴きに行くのは2回目。
2年前以来だ。
そのときは、前の職場で、月岡さんと昔話の語り部である中野ミツさんのコラボイベント「瞽女(ごぜ)唄と越後の昔話」の開催間近なときで、幕間にイベントの告知をさせていただいたりしたのだった。

職場でのイベントをきっかけに月岡さんとは何度か食事をさせていただいた。

面白い人なのだ、月岡さん。
ビジュアルは本当に着物と三味線が似合う、純和風のツヤっと艶っとしたすごく美しい人なのだけれど、天然で無防備。
作為的なところや狡猾さがあんなに感じられない人も珍しいんじゃないか、ぐらいな。
いや、芸事に秀でた人で、俗世間のどよっとしたものとは無縁な人はいっぱいいるのかもしれないけれど、なんかそういう人ってちょっと乾いているイメージがある。
思考経路というか、人間性に。
自分のやっていることに対するこだわりも、突き抜けている分、熱さはあっても湿気はないっていうか。

でも、月岡さんにはすごく湿度を感じる。
見た目も、ちょっとした会話も。
でも、粘着性は感じない。
すごく俗っぽいことも平気で言うのだけれど、俗っぽくならない。
人にどう思われるかを気にしない、というより、人にどう思われるかという思いの存在に気づいてない、みたいな。
もちろん、気づいているはずだけど。

ベタっとしていない湿度が稀有、という感じ。

あ、全然上手く言えてませんね。

幼い頃から三味線を弾くという環境にあったとはいえ、瞽女さんの存在がまさに消えようとするタイミングに、高校生という若さで、視覚障害を持たない月岡さんが瞽女唄に魅せられたという事実はすごいことだと思う。
今回の立ち話でも、継承者という重荷を感じている様子だったけれど、月岡さんは選んだのだし、選ばれたのだと思う。

ライブを堪能した後、最寄り駅に戻って、誘ってくれた友人と駅前の日高屋でラーメンを食べた。
初日高屋。
決して上品ではない客層が面白かった。
乳飲み子から老人まで。
喫煙席と禁煙席の近さがごった煮感を象徴している感じ。

夕食のしたくをしなかったのは本当に久しぶりだ。
お寿司を買って家に置いてきた。
またやろう。
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by kuni19530806 | 2014-10-26 17:07 | お出かけ | Trackback | Comments(0)