2013年 07月 29日 ( 1 )   

これからお祈りにいきます   

そういえば、仕事を辞めてから一度も足が攣ってない。
ピーク時は、寝ると2時間おきぐらいに足が攣って目が覚め、熟睡できず朝を迎え、その疲れがまた攣りを誘発する感じでキツかった。
病院で泣きついたら、芍薬甘草湯という漢方薬を処方され(噂には聞いていたけれど、これがよく効くのだ)なんとか日常をやっていたが、飲み忘れるとてきめんに攣り、しかも徐々に攣っていない日中も足のダルさが残るようになり、6月あたりは駅や職場の階段をやっと上っていた。
退職以来、この漢方薬も一度も飲んでいない。

しつこかった咳もいつのまにかほとんど出なくなったし、どんだけくたびれてたんだ…っていうか、わかりやすいんだアタシ、って感じ。

津村記久子さんの『これからお祈りにいきます』を読む。
「サイガサマのウィッカーマン」と「バイアブランカの地層と少女」という中編が2つ入っていて、どちらも祈り、信仰がモチーフ。

面白い小説を書く人だなあ、津村さんって。
誰にも似てないと思う、私はそんなに小説を網羅してる方じゃないけれど。

1編めは高校生、2編めは大学生、の男子が主人公で、でもどちらも浮ついたところはほとんどない…というよりなさ過ぎで、ものすごい不幸を背負っているわけではないけれど、常に日常的な懸案の呪縛に捉えられているところがあって、人となりも、聡明だけれどどんくさくて、わかりやすい長所はないがわかりやすい短所はあって、明確な希望よりあいまいな不安に苛まれている…のに、なぜか、なぜか読んでいて全然イライラしない。
爽やかさなんて感じられない世界なのに、ぐいぐい読めるし、爽快感を覚えた。

それは、主人公は謙虚で、狡猾じゃないから…と言いたいところだけれど、そんなに単純でもない感じなのだ。
津村さんの小説を読んで「わかった!」と思っても、自分に限って言えばそれはたぶん的外れで、ピンポイントの何かではなく、日常の描写や主人公の独白の集合体で発生する化学反応、その昇華されたものこそがこの小説の魅力……というきわめてもやっとした「狡猾」な感想でごまかすことにします。

京都に行きたくなりました。
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by kuni19530806 | 2013-07-29 21:13 | 読書 | Trackback | Comments(0)