2013年 07月 23日 ( 2 )   

木皿食堂   

木皿泉著『木皿食堂』を読む。

脚本家木皿泉は和泉務(いずみ・つとむ)さんと妻鹿年季子(めが・としこ)さんという夫婦のユニット名です。
木皿さんの書いたテレビドラマには、「やっぱり猫が好き」「すいか」「野ブタ。をプロデュース」「セクシーボイスアンドロボ」「Q10」などがありますが、最近はこの散文集『木皿食堂』を含め、エッセイ『二度寝で番茶』、小説『昨夜のカレー、明日のパン』など、立て続けに脚本以外の作品が出版されています。

和泉さんは今から10年ぐらい前、脳出血で倒れ、今も重度の障害が残っているそうです。
妻鹿さんもその時期うつ病で苦しんだようです。
一般的な言い方をすれば、満身創痍な二人です。

そもそも、それ以前の二人だって、輝かしい経歴では決してありません。
でも、というか、だからこそ、というか、この本に収録されている新聞連載コラムもインタビューもシナリオ講座の講義も、どれも嘘くさくありません。
裏打ちされた強さを感じます。

それは、1952年と1957年生まれという、世の中の酸いも甘いも噛み分けた、十分に大人の二人発信ということももちろん大きいでしょうが、どんなに長く生きても考えることを仕事にしてきたようなヤツでも、薄っぺらな人生訓を垂れ流す輩も多いことを考えると(最近の選挙がらみで私はあらためてそれを感じたのであった)、きちんと自分の脳内で変換された言葉や文字を発するのは、あながち年齢や苦労(ベタな言い方でどうかと思うけれど)ゆえとは言えないとあらためて思います。

木皿ドラマは一言で言って「人生讃歌」です。
主人公は必ずと言っていいほど、生きることが下手で苦手で、なんらかの負荷を抱えて生きています。
周囲には濃淡は違えど常に死の気配が漂い、別れは避けられない、終わりのないものはない、ということが繰り返し繰り返し語られます。
派手な大事件や、主軸になるような恋愛模様はほとんど描かれません。
そのかわり、世界や未来や人を信じることの大切さが根底にあり、ネガティブな現実から目を背けず、あるがままに受け入れるからこそ、前向きにもなれることが謳われています。
人は変われる、と。
なんとなれば、終わりがあること、変わらないことなどないことが、人を安心させることもある、と。
そして、日常の些細なディティールこそをおろそかにせず、ばかばかしいこと、くだらないこと、ダメな自分を否定しないで生きていこう、としつこく言い続けている。

ある意味、うっとうしい世界です。
でも、やっぱり好きだなあ、私。

シナリオ講座の講義で印象的だったところ。
タイトルはテーマ。
【テーマというのはワンセンテンスで言えること、とシナリオ学校で教えてもらいました。一行で書けることがテーマであり、話の芯だということです。例えば『七人の侍』は雇われ侍が七人集まって、山賊をやっつけるお話なんですが、いい作品ほど一言で言えるらしいです。
でも私は、テーマというのは最後までシナリオを書き進める力、みたいなものだと思います。テーマが口で言えることだったら意味がないんじゃないかと思っていて、むしろ書いていくうちに自分で見つけていくもんなんじゃないかと。自分の中にあるものを知りたいという欲求に気づける人が、心に残るお話を書けると思います。】

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by kuni19530806 | 2013-07-23 23:24 | 読書

遺伝子を見た   

昨日は夫の姉夫婦と、その夫婦の子(姪)も2人の子どもを連れてやってきて、とてもにぎやかな一日だった。

姪のYちゃんは30代前半で、もうすぐ4才になる男の子と生後半年の女の子のおかあさん。
Yちゃんが子どもだったときと、もうすぐ4才のRクンがソックリで笑ってしまった。
特に、Rクンの私に対する接し方はビックリするぐらい相似形。

最初こそちょっと人見知りをして遠慮していたのに、その後、めきめきフレンドリーになって、私をチャン付けで呼び出して、「こっちで遊ぼう。おいで!」と手を引っ張り、おもちゃを並べさせ、勝手によけいなことまですると「それは違うでしょ」とダメ出しをし、ちょっと私が台所などに行くと、こっそり覗きに来て目が合うとエヘヘへと笑い、くすぐって逃げて行き、三度ぐらい同じことをしに来て・・・と、それらすべてが、約30年前のYちゃんと同じ!!

子どもは得てしてそんなものかとも思うのだけど、あまりにそっくりで、しかもそれは私だけの感想ではなく、夫の姉夫婦も義父母も夫も大笑いで、「Mちゃん(私のこと)って、子どもがそういう風に接してしまうオーラがあるのかもねえ」と。
オーラって・・。

写真は、私が考案した「古い豆をペットボトルのキャップに入れて将来的には全体を魚の形にする」(若干、スイミーのパクリ)という遊び中のRクン。
私が途中でサボって写真を撮っているのでご不満。
早くちゃんとやってよ顔。
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by kuni19530806 | 2013-07-23 21:21 | その他