2012年 12月 15日 ( 1 )   

女たちの武装解除   

小島慶子著『女たちの武装解除』を読む。

光文社のセレブ主婦向け雑誌「VERY」の連載コラム+αの本です。
今、さらっと「セレブ主婦」と書きましたが、その実態は私にはわかりません。
自分の生活水準がそのエリアにかすりもしないからわからない、という言い方ももちろんありますが、なんだかんだ言って、子どもがいないとセレブ主婦にはなれない、そもそも資格がない、ような気がします。
子どものいないセレブ主婦もいるのかもしれませんが、それは単なる「セレブ」であって、セレブ主婦の称号のデフォルトは、既婚であることではなく、子どもなのではないかと思うわけです。
子どもを持ってこそのセレブ主婦。
これについての一般的な意味での正解不正解は興味がありません。
ただ、自分がそう設定している、という話です。

小島さんのVERYコラムのタイトルは「小島慶子のもしかしてVERY失格!?」です。
高橋源一郎氏との対談でも明かされていますが、ポジションは「裏VERY」。
桐野夏生さんの連載(読んだことはない)と、「お受験の花道」という連載と合わせて、黒いトロイカ体制なのだそうです。
これ、素晴らしいネーミングだと思う。
しかも、VERYが書いた小島さんのプロフィールには「当たり屋」という文言があるらしい。

あんな雑誌・・と言っては失礼ですが、VERYの編集者ってイヤラシイほどバランス感覚があるんじゃないか。
確信犯とも露悪的とも言うかも。
バランス感覚があり過ぎてイヤラシイ、と言った方がいいかも。

小島さんのコラムは、そんなクセモノの依頼主の期待を裏切らない・・どころか、そいつらの想定の上を行ってるんじゃないだろうかと思われる内容です。
下品とか破天荒ではありません。
むしろ逆。
一歩間違えば宗教ちっくになりそうなぐらい、地味な日常や、欠点だらけの人間や、答えの出ない悩みや、地道な愛情の積み重ね、ささやかな幸せ・・などなどにエールを送る文章が並びます。
そこにまったくブレはありません。
だからこそ、年収やブランドや世間的ステイタスあれこれに重きを置くイメージが先行するVERY読者層の従来の価値観を打破・粉砕し、固定観念を一蹴し過ぎなんじゃね?と心配にもなるわけです。
あ、今ウソをつきました。
心配は全くしていません。

穿った見方はいくらでもできます。
雑誌的にはどうしても二律背反な感じは否めないし、上述したようにイヤラシくもある。
小島さん自身、「近親憎悪的」という言葉も使っている。
好戦的なイメージもある小島さんだから、何かを企んでんじゃないの?みたいな。
私はそうは思わないけどね。

でも、なんだかんだ言って、既成概念に対する小気味いい風穴的コラムであることは間違いないと思う。
内容が子育てがらみに終始しているけれど私もわかる・・とここは言わせてもらおう。

ただ、五月女ケイ子さんの表紙といい、タイトルといい、宋美玄さんといい、トンガったイメージが先行しちゃうよね、この本。
別にそれでもいいけれど、なんだかもったいない。
VERYも小島慶子も五月女ケイ子も武装解除も興味のない層が手にとれればいいのにね、となんだか自分でもよくわからない視点から思ったりもしました。
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by kuni19530806 | 2012-12-15 22:20 | 読書 | Trackback | Comments(0)