2012年 05月 17日 ( 1 )   

11 eleven   

津原泰水『11 eleven』を読む。

この人の小説は『ブラバン』しか読んでなくて、『ブラバン』も特異といえば特異な小説でしたけれど、今回の引き?曳き?もしくは磁場、の強さは本当にハンパじゃなくて、ヤバイヤバイと出川よろしく油断せず斜に構えて防御の体勢をとって臨んでも、この短編集に対しての対処法(?)はわかりやすい防御の体勢ではないのが明らかなので、何度も持っていかれそうになりました。

表紙が四谷シモンってところでもっと覚悟して読むべきだったのかもしれません。
まあ、なにがこの小説に対しての正しい覚悟なのかは、読み終わった今もよくわからないんですけどね。

怖ろしいあやかしの世界が次から次と登場します。
津原さん自身が装丁したようですが、編ごとのタイトルのページデザインがフィルムをモチーフにしていることもあって、「こことは違う、でもここの一部かもしれない、油断していると紛れ込んでしまいそうな世界」を幻灯機で見せられている感じです。

緊張感いっぱいですが、ものすごく面白かったです。
でも、しつこいようですが、持ってかれそうになるので、自分のデフォルトが「不安定」のときはお薦めしません。
・・あ、むしろ、振幅が大きくなって平穏な場所に着地したりして。
そこに期待するのはリスクがめちゃくちゃ高そうですが。

文章はとても好みです。
確固たる軸としてそれがあるので、設定がどんなに凄くても(荒唐無稽ともいえる)読めるのかもしれません。

どの編も甲乙つけがたいインパクトですが、やはりしょっぱなの「五色の舟」かなあ。
ガツンとやられた。
その後の10編もやられっぱなしでしたけどね。

小説を読む醍醐味のひとつは、翻弄されたり持ってかれることだと思っていますので、そういう意味ではまさに小説を堪能しました。

とにかく、覚悟して読んでね。
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by kuni19530806 | 2012-05-17 23:16 | 読書