2011年 10月 09日 ( 1 )   

東京観光   

現在の自分の年齢は、自分が親元を離れて東京に出てきたときの母親の年齢と同じだ、と突然気づいた。
気づいた・・っつったって、ふつう、そんな風に親のトシと自分のを重ね合わせたりしないかも。
でも私には、なんだか妙にインパクトのある発見だったんだよね。
そうか。
あのときの母親はこういう中途半端な年齢だったんだーみたいな。

長らく専業主婦をやって
夫がエリート銀行員(たぶん)から突如自分に断りもなく脱サラして
徐々に家計費も家に入れなくなって
しょうがないのでスペイン料理レストランの経理のパートに出て
慣れない毎日に疲れ切って家では横になってばかりいて
末娘の中学卒業を待ってとうとう離婚して
娘を連れて実家に帰って母親の経営する雑貨屋と下宿屋の手伝いをして
やっと落ち着いた頃に元夫が交通事故に遭いしばらく遠方の地で付き添い生活をして
地元の公立の短大に進学させたかった娘は「家政科に興味はない」から自力で東京の大学に行くと言って

そうか、そんな「歴史」を作ってきたのが現在の私のトシなんだ。

あと数年で、夫の母が嫁(私)を家に向かい入れた年齢になります、私。
自分がこれから、30才以上も年下で、しかも子どもでもない、よく性格もわからん女(実は性悪)と期間限定でもなく寝食を共にする、なんて想像がつかない・・っていうか、そんなの、気が進まない。

まあ、人生なんて想像がつかない、予測できない、できれば避けたい、なりゆきの連続ですけどね。

中島京子さんの短編集『東京観光』を読む。
面白かった。
さすがだ。
ハレのデキゴトでは決してないし、人に説明しても特に興味を持ってもらえないけれど印象深いことって毎日の生活にはけっこうある。
地味で面白味の少ないような日々の中で、ある日、ある時間だけ妙に「常識」とか「既成概念」がわからなくなるような、ちょっとラビリンスなのってある。
そういう小説だと思います。

しつこいけど、さすがだ。

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by kuni19530806 | 2011-10-09 23:20 | 読書