2011年 10月 04日 ( 1 )   

還暦パーティ、基本と本音の違い   

2日の日曜日は夫の師匠、山崎弘一さんの還暦パーティーが西荻のアケタの店であったので行ってきた。
いつものことながら、山崎弘一カルテットはなんとも渋い演奏でした。

よく山崎バンドと演奏をする山本ヤマさんという女性サックス奏者もパーティに来ていたが、もうすぐ大分に引っ越すとのことで、みんなと別れを惜しんでいた。
どこを切っても笑顔しか出てこないような人なので、別れのあいさつも満面の笑顔!
いでたちはファンキー。
引っ越す理由は原発のようです。
帰ってからヤマさんのツイッターを見た。
あらためて私達はとんでもない世界に来てしまったんだと思う。

本日の夕飯中に見ていたNHKニュースウオッチ9によれば(今日は遅番だったので遅ご飯でした)、岩手県の宮古市や釜石市のがれきの受け入れや受け入れ検討を表明した東京都や北九州市に対して市民が猛反発をしている、そうな。
そうかあ。
福島ならまだしも(まだしも、と書いてて悲しいですが)。

これに対して、大越キャスターがものすごく注意深く、「がれきの健康に及ぼす影響が未知数である以上、その受け入れを不安に思う地域住民の気持ちは十分に理解できますが、そのがれきと目と鼻の先の距離で現在も生活し続けている被災者が大勢いることも私達は忘れてはいけないと思います」と言っていて印象的でした。


ヤマさんがリツイートしたツイートに<「自分だけ助かればいいのか」って、そうだよ。それが基本だよ。日本国民の全員が、自分で自分を助ければ、それでいいんだよ。自力で何とかできない人を公的に助ければいいじゃない。自分のことは、自分で。まずは自分と家族。>とあった。
ツイートした人は流山から岡山に疎開している女性のようです。
大学院で発達や心理について研究していて自身も自然育児をしていると表明しているし、なんとなく「関東から疎開している、疎開したいと思っている一派のオピニオンリーダー」という感じがする。

私などと違って、原発や放射能について勉強し、疎開についても迷い、苦しみ、いろんなことを犠牲にし、それでも子どもの健康を第一に、と考え、踏み切ったんだと思う。
ちなみにこの発言は、給食を拒否して子どもにお弁当を持たせる親に対してあの小倉づらキャスターが放った「自分だけ助かればいいのか」というコメントに対する反発です。

そんなこんなの背景を想像すると、この人の一コメントに揚げ足をとるのはどうかという思いはあるし、リスクを回避するために別なリスクはきちんと背負っている人を批判したくはない、とも思うのですが、それでも、このツイートに言いたい。
間違ってる、と。

自分だけ助かればいい、を基本にしてはダメでしょう。
その自分には「愛する家族」を含んでいるのでしょうが、それを斟酌してもダメです。
自分だけ(自分と家族だけ)助かればいい、というのは基本ではなく、単なる本音であるべきです。

基本と本音は違います。
むしろ、建前と本音よりも違うと思う。
建前と本音には「正しさ」は求められませんが、基本は基本的に人間としてできるだけ正しくあるべきです。
それが現実的か否かはまた別として。

自分だけ助かるのはよくない、を基本にしなければ、町内会であろうと国家であろうと、共同体の存続は難しいと思う。
そうとなれば結局、他人も自分も助けられないのではないでしょうか。

私は、自分だけ助かればいい、と本音を吐く人は信用できますが、それを正しいこと、基本だと本気で思っている人は信用しません。
否定させていただきます。

同時に、自分のことは自分で、と声高に言うのも、基本と本音を混同しているのと同じくらい、私には危険に思えるというか、気持ち悪く感じられます。
こういう人の「自分」は時と場合に応じてクルクル形を変えるに決まっている。
なぜなら、拡大解釈や曲解がなければ、大の大人が「自分のことは自分で」などという宇宙を手玉にとる規模の(?)空恐ろしい発言は簡単にできないと思うので。
本当にそう思うなら無人島に行けば、みたいな(スミマセン、極論でした)。

被災地以外の、まだ余力のある日本国民が「自分だけ助かればいい」「自分で自分を助ける」を基本、と思った結果がれきの拒否です。
被害者(被災者ではなく)になるのは、被災地だけで十分だ、こっちまで被害を及ぼすなよ、論理です。
これを本音ではなく「基本」だと思っている証拠に、みんな堂々と拒否してる。
正しいこと、基本を言っている、という自信たっぷりだ。
本音という自覚があれば、もうちょっと申し訳なさそうに言うはずです。

この基本論理(!)で行けば、余力のかけらもない(と思う)宮古市や釜石市に「迷惑だから自分のがれきは自分で処理しなさい」と言うことになります。
あ、もう言ってるも同然か。
大越キャスターのコメントがあらためて心に沁みます。
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by kuni19530806 | 2011-10-04 23:46 | その他 | Trackback | Comments(4)