2011年 07月 24日 ( 1 )   

リヴァトン館   

ケイト・モートン『リヴァトン館(やかた)』を読む。

20世紀前半のイギリスが舞台のメイドもの、しかも恋愛小説、と聞いたら読まずにはいられないでしょう。
好意的な感想を読んでいたので期待しました。
が、私にはちょっと残尿感。

設定、そして現代と交錯する構成は、とても素敵なのですが、思いのほか登場人物が描かれていなかった気が。
残念ながら、メイドであるヒロインのグレイスを始め、「お嬢様」ハンナにもその妹にも、全く感情移入できなかった。
設定からついつい中島京子の『小さいおうち』を思い出しましたが、国産のメイドものの方が何倍もグッときました。

これは、ハンナの道ならぬ恋の迫力不足によるところが大きいかも。
書き手の姿勢や筆致(翻訳?)の問題なのか臨場感がなく、こちらにのっぴきならなさが全然伝わってこないんだよねー。
いくら、恋を病気に喩えてそのどうしようもなさをハンナに語らせても、薄いっていうか、頭だけで書かれてる感じ。
なので、その後の悲劇的展開にもさほど説得力が感じられない。
ああ、そこそこよくできたおはなしね、じまい。

この小説でいちばん臨場感があったのは、メイド仕事の大変さと、98歳になったグレイスの死の近さ(若いときに「早死にすると言われたというエピソードも含めて)だったように思います。

この小説では直接描かれなかった1924~介護施設に入るまでの考古学者グレイスの日々の方が私は興味をそそられます。

そんなこんなですが
この小説の私における敗因(?)はやはり、『小さいおうち』を先に読んだ、というところにある気がします。
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by kuni19530806 | 2011-07-24 23:13 | 読書 | Trackback | Comments(0)