2010年 10月 31日 ( 1 )   

最近読んだタイトルの長い本   

『放っておいても明日は来る 就職しないで生きる⑨つの方法』高野秀行著
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これは実に実に麗しい本でした。
著者が講師になった上智大学の「東南アジア文化論」講座の講義録ですが、8人の東南アジア生体験者との対談形式になっています。
これが滅法!すこぶる!面白いです。
ちなみに、9章めは高野さん自身の講義、という構成です。

自分はハタチの頃、藤原新也や沢木耕太郎の本で社会や世界の広さを知らされた気になった部分がありますが、今のハタチがこの本の8人の話で高野さんの言うような「普通の就職が上手く行かなくても『最悪はここ』だと思えるなら、それは究極のセーフティネットと言えるのではないか」に同意できるとしたら、その一点だけで「今のハタチが羨ましい」と思えるくらい、私にとっては麗しい本でした。

そう、人生のほとんどは成り行きです。
明確な目標を設定してそれに邁進することはもちろん立派ですが、それが不首尾に終わったとき終わりそうなとき、成り行きに抗わずどう転べるか・・そう考えると、これは何も若者のためだけの本じゃないことがわかります。

折に触れ、読みたい逸本(←こんな言葉はないっすかねえ)です。


『大人になるほど愛される女は、こう生きる』斎藤薫著
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斎藤薫ウォッチャーを標榜する私ですが、これはどれもなじみがある人生訓だ・・と思いきや、女性誌Graziaに掲載されたものが主だそうなので、それも当然。
しかし、すごいタイトルですね。
しかもサブタイトルは魂論「恋愛」です。
背徳こそ真なりとか、“肌見せ”は女の必須とか、センセーショナルな文言が並んでいますが、内容はいたってまっとう。
いや、背徳を奨励するような文章はまっとうとは言わないのかもしれませんが、斎藤薫マジックにかかると狡猾さや赤裸々感が払拭され、すんなり頷けるわけですよ。
これまた才能ってことですかね。

しかし、いやはや、なんだか、でもあるわけですが。


『帰ってから、お腹がすいてもいいようにと思ったのだ。』高山なおみ著
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著者はお料理の人として、「日々ごはん」の人として、女性にはつと有名なようですが、一般的知名度はどうなんだろう。
雑誌「天然生活」でちょっとそそられてこの本を読んでみましたが、私はこの手の女性はちょっと苦手だ。
よしもとばななと共通する匂いがする。

敵を増やしそうですが、家事(料理)に造詣が深く文章もお上手な、ある一部の女性ってめんどくさい。
料理の蘊蓄を語られるのは全然かまわないのですが、なんていうのかなあ、ナチュラルテイストのお洋服を着て、エコに関心が高くて、もちろん自然食に詳しくて、おやつなんかも手作りをして、梅干しとかぬか漬けとかをやっていて、でも「自分はそれだけの女じゃない。実はもっと多面的なのです、特に感受性方面が」と文章のあちこちにちらつかされるのがうっとうしいんだよなあ。
そういう人に限って、ナチュラルメイクで一見達観したようなビジュアルで写真に収まっているんだけど、なんか企んでる表情をしてる。
文章では、私生活に関して、唐突にちょっと意外なカミングアウトをしたり。
それがフィクションなのか事実なのか曖昧で、読み手を混乱させる。
ぜんたい、どっちなの?と聞こうもんなら「どっちなのかそんなに重要?」と返されそうだ。
ああ、うっとうしい!

あ、もちろん偏見で極論っす。
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by kuni19530806 | 2010-10-31 12:29 | 読書