2010年 10月 01日 ( 1 )   

窓の外は向日葵の畑   

10月かあ。
私は今、新規図書館立ち上げプロジェクトの末端構成員ですが、オープンまでいよいよ3ヶ月を切りました。
現場は、4月から一貫してカオス状態です。
当初の計画は妥協と諦め方面に変更を余儀なくされることばかりですが、カオスであることには全くブレがありません。
その一貫性だけは凄いよ。
これから年末まで、いったいどうなっていくんだろう。。。

樋口有介の『窓の外は向日葵の畑』を読む。
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偏愛作家ユースケさんの新刊が、デビュー作『ぼくと、ぼくらの夏』を彷彿させる青春ミステリー、しかも書き下ろしだという噂を漏れ聞き及び、勇んで読みました。
う~ん。
これ、青春ミステリーかなあ。
確かに主人公の青葉樹(あおば・しげる)クンは高校2年生で、近所には幼なじみの真夏ちゃんがいて、しかもこの真夏ちゃんが実は××××で、樹の所属する「江戸文化研究会」の美人部長と、彼女に憧れる副部長が相次いで失踪して、事件解明に顧問の美人英語教師が乗り出し、彼女に吸引されるように元刑事の樹の父親も介入し、研究会所属の帰国子女圓藤紅亜も絡み・・と、登場人物の中心は青春世代(?)で、設定もいかにも、ではありますが、読んでいる最中も、読後感も、青春って感じは全くしなかったです。
面白くなかった、という意味ではないですけど。
あ、タイトルはあんまり良くないと思う。
樋口小説って、タイトルで損をしてないかなあ。
なんだか、ピンとこないっていうか、後々、タイトルを聞いてもどんな小説だったか全くイメージできないのが多い気がします。

内容について。
今回の小説も相変わらずの樋口節です。
あまりに樋口ワールドなので、この小説もシリーズものだったかな?と思っちゃいました。
軽妙洒脱ちっくで、でも社会派で、男性はみんな家事能力に秀で、女性に弱くて甘くて、よけいなことを言い、肝心なことは言い返さない。
一方女性は、みな気が強く生意気でワガママで、でも終盤はたいていそれが哀しみに通じ、別れはせつなく、ほろ苦い読後感が残る・・・樋口ワールドとはそんな世界です。

まあ、この樋口ワールドそのものが「青春」と言えるのかもしれませんね。
『ぼくと、ぼくらの夏』の頃は30代だった作者も、今では還暦。
渋好みとはいえいまどきの高校生を描くということ自体、チャレンジなのかもしれません。
ただ、やはり父親の描写の方がしっくりしてたかも。

ユースケさんには今後も果敢に青春にチャレンジしてもらいたいと思う反面、全く毛色の違う、かといって時代小説ではない中高年の小説も書いて欲しい気がします。

ファンはわがままななのだ。
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by kuni19530806 | 2010-10-01 23:20 | 読書