2010年 02月 28日 ( 1 )   

グラーグ57   

トム・ロブ・スミスの『グラーグ57』(上下)を読む。
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あの『チャイルド44』(上下)の続編です。
ひりひりするような緊張感が凄かった前作に比べ、今作はハリウッドの冒険活劇~共産主義バージョン~みたい。
次から次とたたみかけるようなアクション。
特に、タイトルになったグラーグ第57強制収容所と、そこに到達するまでの船の描写は読ませる。
あと、終盤出てくるハンガリーも。

人もいっぱい死にます。
主な登場人物で、「ああ、この人まで」という人も複数、命を落とします。
そこに、家族問題もからみ、誰しも感じることでしょうが、これを20代が書いたとは到底思えません。

今回は、悪役も魅力的です。
凄い女だ。
その分、レオの存在感が希薄に思えるくらい。
レオは常に、苦悶してるか、肉体を痛めつけられているか、後悔の海に沈んでいるか、って感じだし。
レオ妻も、今回は脇役にまわっていて、前作ほどのインパクトはありません。
これって、あの大沢在昌の『毒猿ー新宿鮫ー』みたい。
敵役の存在感が凄すぎるパターンの典型ですね。

いずれにしても、まだシリーズは続くようです。
スペンサーシリーズのロバート・B・パーカーも、競馬シリーズのディック・フランシスも、フロスト警部の作者も亡くなり、大好きなマッド・スカダーのシリーズはなしのつぶてだし(頼むよ、ローレンス・ブロック!)、海外ミステリのシリーズで現在継続して読んでいるのはリンカーン・ライムものぐらいなので、これには頑張って欲しいです。
ちょっとハード過ぎるところもありますけどね。
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by kuni19530806 | 2010-02-28 23:58 | 読書 | Trackback | Comments(2)