肢体不自由児たちの学童疎開   

昨夜は、らららクラシック♪のカルメン特集を見て、お風呂に入って、台風大雨情報をチェックし、さあ寝ようかなと思ったところ、猫がにゃあにゃあ騒いでいたので、まあ、落ち着くまで待つか、とまたテレビをつけてザッピングしていて、教育テレビのETV特集が目にとまり、そのまま視聴しました。
タイトルは「“戦闘配置”されず~肢体不自由児たちの学童疎開~」というもの。

古い、本当に古い映像に映る肢体不自由児と、「光明(こうめい)」という言葉に「ん?」と思いました。
もしかしてこの光明ってあの光明?と。

私の夫はもう20年ぐらい重度障害児のボランティアをやっていて、私もたまに、本当にたま~に手伝ったりしていますが、そもそも夫がその活動を始めたのは、夫のカラテの後輩M君が東京都立光明特別支援学校の教員をしていたからです。

M君は筋金入り、正真正銘のすっとこどっこいで、そんな人間のご多分に漏れず、人生山あり谷ありで、元気に先生をやっていたかと思ったら、恋人が出来ていろいろあった末に結婚したのにすぐに離婚し、そのうち急に先生を辞め、世界放浪の旅に出て行方不明になりました。
そして、すっとこどっこいの極めつけは、いつのまにか帰国して、カラテも再開していたと思ったら、酔っ払ってどっかの3階から落下し、重傷を負ったことです。
(夫は入院中のM君のお見舞いに行って、笑うと傷口が痛くてしょうがないM君を文字どおり「死にそうなくらい笑わせてやった」そうです。・・類は友を呼ぶ?)

私も夫も、M君にはよく驚かされたし呆れたし、彼のせいで我が家がなんと探偵の尾行の対象になったりしたこともあるのですが、M君は夫のパソコンの師匠で、我が家がパソコンを買った当時、わからないことがあって連絡すると、杉並のアパートからすぐに飛んできてくれたし、なにより、ボランティアのきっかけを作ってくれたのはM君だったのでした。

M君はボランティアからはとっくに離れていますが、なぜか夫は残って続けています。
今はもう、M君を知っている保護者の方が少なくなりましたが、M君が消えた当初は、保護者の方の残念がりっぷりはハンパなく、夫はそのたび「Mは死んだと思いましょう」とコメントしては、お母さんたちを悲しませていました。

とにもかくにも、ボランティアのきっかけが光明特別支援学校だったことで、今も光明は、夫、そして私にとって、なじみも思い出も深い場所なのです。
2年前まではほぼ毎年、光明のクリスマス会に参加していましたし。



話をETV特集に戻しますが、光明が日本で最初に開校した養護学校だなんて知らなかった。
そして、肢体不自由児、知的障害者が、平和時にも増して非常時にいかに弱者になるか、も想像力が働かなかった。

光明から昔の映像、特に戦時中の疎開の映像が多く見つかったということで、番組の中でそれらがふんだんに出てきますが、よくぞこんなに撮っていたなあと驚きます。
同時に、今まで「障害者が登場する古い映像」など見たことがなかったせいか、違和感と共に、「昔も障害を持った人がいたんだなあ」などという当然の事実にも驚きます。

それにしても、戦時中の松本保平校長の尽力、奔走には心から感服します。
本当にすごい努力をされたのだと感動しました。
でも、いちばん印象的だったのは、光明の子ども達を疎開させるにあたってのなによりのネックである治療器具の運搬のために軍を説得するくだり。
松本校長は「肢体不自由児を東京に置いていたら邪魔でしょう」と言ったそうです。

「邪魔」、それはたぶん校長が、光明の関係者が、それまで、特に戦争中、最も闘ってきた世間の認識だったのではないでしょうか。
闘ってきたからこそ、相手の心理を知っている、だからそれを説得に使う・・そのたくましさ、必死さ、優先順位重視の揺るぎなさ、に圧倒されました。

戦争が終わって、昭和22年、中学校までの義務教育が制度化されました。
でも、肢体不自由児の教育の義務化は制度化されませんでした。
制度化のために、また松本校長の奔走がはじまります。

そして制度化されたのは、なんと!なんと昭和54年のことだった。
その差32年!
驚いた!

2003年の春、光明の高等部を卒業予定だった慎也くんは、卒業式の1ヶ月前に亡くなりました。
夫と慎也くんは、慎也くんが10才ぐらいから大の仲良しで、ふたりは何度もお互いの家を行き来していました。
慎也くんが我が家に来るときは、もれなく当時小学生だった弟のとしちゃんもついて来たけど(笑)。
としちゃん、生意気で可愛かったなあ。

そういえば、夫が最初に慎也くんに会った日のコメントは
「今日、すっごく生意気な小学生が来た」だったっけ。
さすが兄弟!

その、慎也くんの写真と声が今でも聴けることを発見!⇒ここ
これが慎也くんです!
昼間っからちょっと泣いてしまったよ。
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by kuni19530806 | 2014-08-10 14:39 | テレビ | Trackback | Comments(0)

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