ダメをみがく: “女子”の呪いを解く方法   

津村記久子・深澤真紀対談集『ダメをみがく: “女子”の呪いを解く方法』を読む。

今年、小説以外の本で自分の心にヒットしたことにかけては、岡田斗司夫『オタクの息子に悩んでいます』と双璧をなします、これ。

ある意味、この2冊は似ています。
その根拠はいろいろありますが、ひとつを選ぶと「自分を1個の人格だと思わない」ということでしょうか。
深澤さんが【女性は特に「自分探し」が好きですけど、私は「本当の自分は自分の中にはいない」し、「本当の自分はたったひとりじゃなくて、誰と関わるかによっていろいろ変わる」と思います。】と言っていますが、これって、オタクの息子の中の、学級委員の自分が取りまとめている、という考え方と一緒だし、「誰と関わるかによって」は自分もずっと前からそう思っていたことでした。
が、若いときは、そんな風に思う自分はおかしいのかと、何か・・たとえば、状況や相手に対して自分がブレることに対する言い訳なのかと、思ってました。

とにもかくにも、この「自分はおかしいのかと思ってた」という感情が払拭されてラクになる、というのがこの『ダメをみがく・・・』という本のイチバンの効用だと思います。

津村さんの書くものはけっこう好きですが、深澤さんという方は全く知りませんでした。
なんだかんだ言って、二人ともダメじゃないじゃん!という感想もあります。
それと、二人共、明らかに頭脳明晰であるがゆえに、ダメだという自覚が芸というかネタになっていて、あと「単にイヤなヤツ」とも表裏一体だとも思うわけで(そりゃそうでしょ、と開き直られそうですけどね)、明晰さと狡猾さの境目もよくわからなくて(そもそも境目などない、とも言えますが)、時々、幻惑されたみたいな気分になり、二人のやりとりに「そうだそうだ」と調子こいたら足元をすくわれそうな、ある人々にとっては有効な「ダメさを受け入れる、そしてみがく」という処世術が必ずしも万人、その中の自分に当てはまるとは限らない、みたいな、そう思う自分のセイフティネット感覚もそれはそれでなんだかしゃらくさいような、とにかく、バラエティに富んだ、いろいろな思いが交錯して、その交錯する感じがとても面白かったです。
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by kuni19530806 | 2013-08-10 23:04 | 読書

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