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野蛮な読書   

平松洋子『野蛮な読書』を読む。

実はこの方の本は1冊も読んだことがなかった。
“食”界隈で名前だけは知っていたけれど、その筋の人なのだなあと思うだけで、特に食指が動くことはなく、スルーしっぱなしでした。
この本を読もうと思ったのはトヨザキ社長のtwitterがきっかけだったと思います。
平松さん自身のことも大絶賛してた。

ひゃー、スゴイ本だーこれ。
読書ガイドという括りになるのだと思われ、図書館では実際にそれで分類されていますが、なんかもったいないっていうか。
読書ガイドを低く見て言ってるんじゃなく、いや、これを読んだおかげで読みたい本がいっぱいできたので、それって読書ガイドの王道というかあるべき正しい姿であることは間違いないのですが、この本によって興味を持ったのは本だけじゃなく、映画とか人とか場所とか食べ物とか、もっといえば状況とか表現とか想像とか幻想とか、あとは死、そしてもちろん生、性もちょびっと、などなど、多岐にわたる・・どころか、網羅されてないものがない、ぐらいな感じに思えたので、それを「読書ガイド」に分類することに、自由なものを鋳型にはめるのはもったいない、みたいな気持ちになったわけです。

これを読んで、活字を通して表現活動をする人にはやっぱりスゴイ人がいるなあと玉砕気分になりましたが、同時に、平松さんが自分よりちょっとだけ年上ってことにやたら安堵しました。
安堵の理由が自分でもよくわからないのですが、すごく年上でも年下でもないことが心強く思えた。

どんな本をスゴイと思うか、は人それぞれ、ばかりではなく、自分の中だけでもいろいろありますが、あえてひとつだけと言われれば「自分の、ふだん使っていない引き出しの存在に気づかせてくれ、開けてくれる本」です。

そういう意味で、とてもスゴイ本でした。
借りて読んでないで買おう。
野蛮な読書_a0099446_19445549.jpg

by kuni19530806 | 2012-08-10 19:45 | 読書

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