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金環日食→仕事→レンタネコ   

天気予報ではその開催が危ぶまれた金環日食お披露目会ですが、多少チラリズムが過ぎ、思わせぶり過剰な演出ではあったものの、ここ東京からでもけっこう堪能できました。

めったにお目にかかることができない太陽と月の状態、というのはもちろん早出して職場の屋上から鑑賞した何よりの理由ですが、金環の瞬間の下界の雰囲気がどんな風に変わるのか、という方向にも興味がありました。
人々がどう興奮するか、という意味ではなく、空の色とか明るさとか鳥の動きとか・・そういうのをひっくるめた、日常の中の非日常、みたいなもの。

やっぱり、すごく異様だった。
「暗くならない」と聞いていて、実際、真っ暗にはならなかったけれど、でもけっこう暗くなりましたね。

西の空は青いのに世界の明度が見る見る落ちて、青ってどんな色なのかが一瞬にしてわからなくなり、一方東側の空は雲間から月にその姿を阻害された太陽が輪っか上になって存在を主張し、鳥はなんだかせわしなく飛び、近くのマンションや土手や公園でそんな太陽と月の不可避な瞬間を見物している人はいっぱいいるはずなのに付近はフシギとものすごく静かで・・。
やはり異様で異常な時間でした。
そして、自然や宇宙のすることって、たとえあらかじめ予測できたり予知できても、基本的になす術はないのだな、とか。
あたりまえなのだけれど、そんなあたりまえの事実を目の当たりにして、なんだか少しホッとしたりして。

稀有な天体ショー(?)を見て、感動や感慨を抱くより、「世の中はままならないことばかりだ」とあらためて思う自分はあまのじゃくなのかふつうなのか、よくわかりませんが。
とにかくそんな感じでした。


そして仕事の後、映画「レンタネコ」を見てきました。
「すいか」にいろいろ似てた。
でも、脚本の力は荻上さんより木皿さんの方がずっと上だな、と思いました。
私の中では、似て非なるもの。
いや、レンタネコはレンタネコでいいんですけどね。

ネコはとても魅力的な存在として登場していました。
確かにとても魅力的でかわいかったし、数多いる世のネコ好きの厳しいチェック項目を十分に意識した、付け焼刃感のない描かれ方ではあったと思うのですが、今日の映画を見て「私もネコを飼いたい!」とはフシギと思わなかったなあ。
ネコを「人間の寂しさ(穴)を埋める存在」となんの迷いもなく決定するところに違和感があったのかも。
そうであってもいいけれど、たとえ寂しくても穴のある人間でもそうでないかもしれない、という選択の余地が感じられないのは私には窮屈な世界なんですよね。

でも「すいか」同様、もう何回か見たい。
DVDになったら見よう。
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by kuni19530806 | 2012-05-21 23:21 | 映画

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