平成娘巡礼記   

月岡祐紀子さんの『平成娘巡礼紀 四国八十八カ所歩きへんろ』を読む。

無意識に「さん付け」してしまったのは、先日、瞽女三味線ライブに行ったことと、仕事関係でこれからもお目にかかる予定だからです。

そういう贔屓目(?)抜きにしても、この本は予想外に良かった。
これは、今からほぼ十年前、月岡さんが24才のときに挑んだ歩きへんろの記録です。
本(文春新書)の刊行は2002年8月。

これを読むと性善説を信じたくなってしまいます。
とにかく、四国の人々がこぞって優しい。あたたかい。
おへんろさんのサポートを、地元の人々は「お接待」と称して、当然のことのように生活に組み込んでいるようです。
それを素直に瑞々しい感受性でキャッチする著者の気立ても心地よい。
特別、文才とかを感じる文章ではないけれど、的確な描写と構成でとても読みやすいです。

瞽女三味線を継承しているからといって、佇まいから孤高・・みたいなことは全然なさそうな、感情豊かで妙齢なお嬢さんが、芸に精進する、ある種の決意表明で歩きへんろをする、というのが清々しい。
そして十年後、月岡さんは実際にたいした表現者になっているわけで、その原点がこの歩きへんろだったりするのかなあと思うと、読む側の感慨もひとしおです。

人は優しくもなれるし、優しさを失うことも容易くできるのだろうな。
四国八十八カ所巡礼の旅に出たくなった。
この本を3月11日に読み終わったというのもちょっと感慨深いかも。
a0099446_220142.jpg

[PR]

by kuni19530806 | 2012-03-12 22:01 | 読書 | Trackback | Comments(0)

トラックバックURL : http://giana.exblog.jp/tb/14849400
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。

<< 無題 くたびれたしじれったいのでちょ... >>