おおきなかぶ、むずかしいアボカド 村上ラヂオ2   

パソコンを買いました。
新しいパソコンで書く初めての文章なのだ。
慣れなくて新鮮。

村上春樹『おおきなかぶ、むずかしいアボカド 村上ラヂオ2』を読む。
アンアン連載のエッセイだそうですが、私はもう何年もアンアンを全く読んでいないので、既読の文章は1個もありませんでした。

『1Q84』はあまり好きではなかったけれど、これは好きです。
村上さんは、小説より、肩の力が抜けているようなエッセイの方がブレがない感じがする。
ポジションが定まっていて安心して読める。
ま、ポジションが定まっていて安心して読める「小説」なんてつまらないわけですけど。

この本のまえがきによれば、<僕は本職が小説家であって、エッセイは基本的に「ビール会社が作るウーロン茶」みたいなものだと考えています。でも世の中には「私はビールが苦手で、ウーロン茶しか飲まない」という人もたくさんおられるわけだし、もちろん手を抜くことはできない。いったんウーロン茶を作るからには、日本でいちばんおいしいウーロン茶を目指して作るというのは、物書きとして当然の気構えです。>だそうですが、こういう比喩ひとつとっても、いかにも「村上ワールド健在!」であり、村上ワールド的に完璧です。
何ひとつ文句はない、みたいな。

それにしても、小説を読むよりこういうエッセイを読んだ方が、村上春樹という人がいかに大物作家になったか実感します。
この中でご本人がそれを匂わせたりちらつかせたりしているわけでは特になくて、どちらかというと謝ったり言い訳を多用したりして、自身の凡庸さとか不器用さを匂わせたりちらつかせたりしている感じなのですが、ここまでスペシャルな作家になってしまうと、もう何もかもに余裕が漂います。
こっちの穿った見方なのかもしれませんが、筆致が変わらない分、むしろ周囲の変化がわかる。

大橋歩さんの銅版画がいいです。
正直、今まで大橋歩さんの絵にグッときたことはなかったのですが、この本の挿画は好みでした。
大判の栞の猫もかわいい。
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by kuni19530806 | 2012-01-07 23:25 | 読書

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