パパは今日、運動会   

山本幸久さんの『パパは今日、運動会』を読む。

私はこの著者の会社小説が大好きです。
今回もすっごく面白かった!

例によって、欠点だらけの人々しか出てきません。
(株)カキツバタ文具という、工場のパートさんを入れても二百人に満たない会社の初の運動会の1日を追います。
章によって語り手は違い、主な登場人物だけで20人いますが(ワタナベなんて4人もいる。しかも全員違う漢字のワタナベ)ひとりひとりがきっちり描き分けられているので分かりづらさはありません。

これだけの人数を、しかも全員一介の地味な会社員とその家族という、世間・・下手すれば設定にすら埋没してしまいそうな人々を、こんなに活き活きと多面的に見せて小説にしてしまえる力ってスゴイ!
それにしてもなんで本屋大賞あたりが全く今までこの人を選ばないのか私は理解に苦しみますいくら私が偏愛する樋口ユースケの旧作「ピース」をPOPの力で評判にしたのが書店員だろうが2009年の本屋大賞に『床屋さんへちょっと』がノミネートすらされていないのが何度も言うけど全くダメだよああダメダメ。

この人の会社小説を読むと、会社員に戻りたくなります。
会社なんて99%はしょぼい日常で、なぜか上司は決まってバカだし、冗談はつまらないし、ムダな業務が多いし、残業なんて理不尽なガマン大会やってるみたいだし、カッコイイ同僚などほぼ皆無ですが、それでも、ああ、なつかしい!と愛おしさの混じった遠い目で思い出してしまいます。

ここでもいろいろ書いているのでご存じの方もあるかもしれませんが、私は今までけっこうたくさんの会社を経験しました。
で、今気づいた。
どこも人事、というか採用担当者って似てる。
応募者にとってはその会社の顔だったりするのに、いざ入社すると、たいてい周囲の嫌われ者・・嫌われてなくてもけっこう変人だったりする。
落とすためのハードル?

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by kuni19530806 | 2011-09-08 22:44 | 読書

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