月と菓子パン   

暑さ・・というより湿気・・というより自分の発する汗、に負けて、3日前からエアコンをつけた部屋で寝るようにしました。
もちろんタイマー設定で夜中に冷房は停まりますが、やっぱり快適だ~。
この睡眠方法だと完全に夏に玉砕感はありますし、なにより、事実なのか刷り込みなのか、自分の中には「たとえタイマーでもエアコンをつけて寝たら身体に悪い」があって、確かにエアコン寝以降、日中のダルさが増してる気はしないでもありませんが、背に腹は変えられないよねー言葉の使い方は間違ってるだろうけど。

なにより熟睡できるのは大きい。
熟睡のなによりの証拠は、昨日の夜中、頭上の棚にあったデカいバッグ(ビニール製)が頭の位置のホンの数センチ上に落ちたのですが、全く気づきませんでした。
今朝、起きて知った。
3時半頃の地震のときに落ちたのではない模様。
そのときはさすがに目が覚めたけれど枕付近にはなにもなかったから。

ビニールとはいえ、金具がついてるし、持ち手は頑丈な形状なので、落下の際は「ドサッ」と音がしたはず。
下手すりゃ負傷してたかも。
小危機一髪。
まさに「髪」の差だ。

もっかの不安事項は、我が部屋のエアコンがかなり年代モノなので、いつ稼動をストップしてもフシギじゃない、ということ。
年代モノでもない安物の扇風機は昨日突如壊れました。
スイッチが破けた。
本当に「破けた」のです。
ビックリしました、と同時に、この時期に扇風機が壊れると一瞬パニックになることを知りました。
ああ、私の風呂上がり&ヨガ終わりの至福の扇風機との昵懇タイムが奪われるー気がヘンになるかもしれん!ぐらいのレベルのパニック。
扇風機依存症!?
本日、すぐに買いに走って事なきを得ましたが、これがエアコンだったらと思うとゾッとします。
でもホントにいつ壊れてもフシギではないので、「最悪、階下の家人の部屋に避難すれば気はヘンにならないだろう」と自分に言い聞かせて日々折り合いをつけています。
壊れる前に買い換えようという選択肢はなし。
お金がないので。
そういえば、1989年に購入したテレビも相当ヤバい。
こちらはほとんど見ていないのでパニックの兆候はありません。

現在、職場は節電シフトなので平日は5時に営業は終わります。
働く人間も、遅くても5時半には職場を出なければなりません。
なので、帰り道はたいてい同僚の方々とこぞって集団下校みたいなのですが、本日はめずらしくひとりでした。
こういう日に限って、通勤路の犬や猫や人間達のとっておきの微笑ましい場面に出くわしますのね。
同僚と分かち合いたかったような、ひとりで得したような。
心のコリがちょっとほぐれるような気がしました。

石田千『月と菓子パン』を読む。

表紙がめちゃくちゃ可愛い。
山本容子さんの絵だそうですが、こんなのが自分の本だったら女子はさぞやうれしかろう。
しかも装丁は南伸坊。
贅沢ですねー。

著者は1968年生まれとのことですが、昭和・・それも30~40年代の雰囲気が漂う気がするのは、石田さんの経歴にある「嵐山光三郎の助手」のイメージ先行、だけではないと思います。
まるで向田邦子さんの軌跡ー下町版ーと見紛う世界ですが、古着、骨董、猫、酒場、銭湯、食べ物、どれにも借り物感、付け焼き刃感はなく、この人トシをごまかしてんじゃないの!?と何度も思いましたが、いるんですよね、たまにこういう揺るぎのない若手が。

ちょっと誤解を怖れつつ言うと、こういう人はまぶしくてうらやましくて少し苦手だ。
どうして苦手なのだろう、嫉妬か?と自問してみますが、嫉妬ではないな。
うまく言えないけれど、嗜好や思考や指向が出来上がっているように見える人はあまり得意ではないのかもしれない、私。
実際どうか、はこの場合、関係ない。
この著者も出来上がってなどいないと思うし。
私にとっては、実際にどうかより、「そう見えるような文章を書くか否か」がポイントで、極端な言い方をすれば、そこにしか興味がない。

視点が秀逸で、文章力もあって、対象との距離のとりかたも完璧で、自分の覗かせ方のさじ加減も温度もちょうどいい。
その、あまりのバランスの良さ、ブレなく一定な感じ、がちょっと居心地悪いんですね。

自分が心惹かれる人や文章は、生身な感じというか、過剰だったり欠落していたり、たとえ今は静かな凪ぎのようなトーンでも、いつ嵐になるかわからない、どこか不穏さをたたえた、そんな世界だったりするのです。
それはもう、具体的にどうこうではなく、気配、におい、としか言いようがないかも。
一見、凪ぎタイプに映る向田邦子さんのエッセイですが、私には不穏な気配が濃厚で、いつもドキドキして読んだものなので、つい比べてしまったのかもしれません。
向田邦子を彷彿させる石田千、その時点で十分スゴイけど。

きっとそのうち揺るぎなくA賞も獲っちゃいますね。
そうだ、今度は小説を読んでみよう。
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by kuni19530806 | 2011-08-12 23:32 | 読書

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