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ソウル・コレクター   

ジェフリー・ディーヴァーの『ソウル・コレクター』を読む。

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リンカーン・ライム シリーズの第8作です。

リンカーン・ライムの従兄弟アーサーが殺人容疑で逮捕されます。
アーサーは一貫して無実を主張しますが、彼の有罪を示す証拠はそこここにありしかも完璧で、有罪はとうてい揺るぎないと誰もが思います。
でも、そのあまりに揃い過ぎた都合のいい証拠にリンカーンは疑問を抱きます。
そこから、過去に同様の「都合のいい証拠に溢れた」事件を見つけた彼は、おなじみのメンバー達と証拠捏造の謎に迫る、というのが本作です。

相変わらずぐいぐい読ませます。
2段組520ページも、適度なボリュームに感じます。
今回は大どんでん返しこそありませんでしたが、伏線やちょっとした思わせぶりな「・・と思いきや実は」的描写がそこここにあって、期待を裏切りません。
それにしても
圧巻はP447~P458にわたる表記(?)ですね。
これがナンであるかは、この小説のキモなので書きません・・・ともったいぶる。

私は旧態依然の人間なので、個人情報漏洩の怖さをきちんと知らないのかもしれません。
が、この『ソウル・コレクター』を読むと、こんな私でも肝が冷えます。

これを読んでイチバン怖いと思った単語、それは「紐づけ」です!

手垢にまみれた言い方をすれば「現代社会に警鐘を鳴らす小説」ですね、これ。

あ、それと、今回はルーキーことロナルド・プラスキーの成長物語という側面もあります。
この人間くさい若者、けっこう好きです。

by kuni19530806 | 2010-08-14 23:52 | 読書

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