空気みこし   

W杯大狂騒曲を見ていると、人間は本当に勝手なもんだなあと思います。
予選突破を決めた際の岡田監督のインタビューに、今までさんざんマスコミや“国民の皆様”の無責任な垂れ流し感情の矢面にされ続けてきた人の鉄壁のディフェンス力、拒否力、を感じました。

目標や求めているモノはもっと上なのでここで浮かれるわけにはいかないという見解は、二重の意味を持ってるんだろうなあ、と。
「空気さなぎ」は村上春樹の1Q84に登場する概念(?)ですが、あの勝利インタビューで「さあ乗って!」とマイクと共に岡田監督に差し出されたのは、さしずめ「空気みこし」。

そんなものに乗っかっちゃったら、どこに連れて行かれ、どう落とされるかわかったもんじゃない、ということを彼は誰より熟知しているわけで、あの「まだまだこれから」という発言は、「みこしを担がれても乗りませんよ」という乗車拒否ならぬ、乗神輿拒否の意思表示でもあったのだと思います。
だいたい、乗ってるヒマはないし邪魔、ですからね、そんなの。

私のような、サッカーには全く疎くほとんど報道を見ない人間にも、監督就任以来の、彼に対してのコロコロ変わる評価や論調のうさん臭さには辟易するばかりで、今回の予想外の健闘にも、カンドーやヨロコビより、集団ヒステリーの気持ち悪さが上回ります。
素直に「やったじゃん!」と思いたいのに、思えないっていうか。

決勝進出決定後、2ちゃんねるで「岡田監督ごめんなさい」みたいなスレが立ったというのも、それ自体より、まるでそのことを「ちょっと心暖まるデキゴト」的に紹介してるのがイヤだ。
これもまさに集団ヒステリーの産物としか思えないので。

みんな、そんなに愛国心に溢れてたっけ!?
だったら、日常にもっとやることがいっぱいあるんじゃねーの?
せめて選挙に行くとかさ。
だって日本が大好きなんでしょ?

空気に引きずられたニワカ愛国心ってなんだか不気味、と思うのは私だけなんでしょうかね。
そして、そのニワカ愛国心をイチバン誘発するのが、団体スポーツなんだということをあらためて感じる今日この頃。

国の財源を確保したいんなら、「がんばれニッポン!」という文脈で、サッカー選手になにか言ってもらえばいいのに。

最近、ロクなニュースがないから、サッカーでカタルシスを得たい、という気持ちはわかるような気はします。
元気が出ました自分も頑張ります的な街の声も、その時点では本心なんでしょう。
でも、容易くヒートアップする気持ちはカンタンに冷めますからね。

それと
国技の座を相撲とチェンジ!!すればいいのにね、サッカー。
いや、冗談じゃなく。
決勝トーナメント試合直前の今が、まさにグッドタイミングだと思います。
[PR]

by kuni19530806 | 2010-06-26 23:55 | その他

<< 『第七回 Q展』 母親のお墓参りに行く。 >>