ブラバン   

津原泰水『ブラバン』を読む。

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先月、読んだ本です。
津原さん(男性です)は一筋縄ではいかない文章を書く人ですし、この小説も登場人物がめちゃくちゃ多い上にストーリーの時系列も交錯して、なにより主人公が屈折しています。
要するに、一般ウケする話ではありません。
が、とても素晴らしい青春音楽小説だと思います。
「青春」や「音楽」でまずイメージするような爽やかさは微塵もありませんが、青春や音楽の本質はちっとも爽やかじゃないところにある、とわかっている方にはお薦めします。

とにかく、情報量が多く、思わせぶりで密度が高い文章なので、ストーリーを追うというより、文章そのものに掴まりがち。
なので、読むのに時間がかかります。
この人の文章とウマが合えばいいですが、じゃないと完読はムリでしょう。
ま、なんでもそうですね。
人の内面を抉るようでいて、わかりやすくは踏み込まない小説でもあります。
やっぱ、屈折してんだよね、これ。

主人公はある意味、ヒーロー。
高校のときから諦めたヒーローだったって感じです。
高校のブラバンでひょんなことからコントラバスをやるハメになって、それを続けるわけでもなく、40男になってのポジションは、流行らないバーの経営者。
独身。
高校のブラバンを再結成しようという話なのですが(もちろん主人公が発案者ではない)、予定調和の展開には全くなりません。

音楽好きより、楽器、特に管楽器とコントラバスに興味のある人には楽しいです。
楽器についてのネタ(?)がふんだんに出てきます。
オーボエはイチバン演奏が難しい楽器としてギネスブックに出てる、とか。

本当にたくさんの人物が登場しますが、いちばん印象的だったのはやっぱ、安野先生でした。
オバサン、と思って読んでましたが、よく考えると自分の方が年上だった。
ははっ。
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by kuni19530806 | 2010-05-05 22:16 | 読書

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